February 24, 2014

トラ技ARMライタをUbuntuのOpenOCDで使う(プラス パッチ)

E292トランジスタ技術2014年3月号に付いている『トラ技ARMライタ(写真左)』を Ubuntu の OpenOCD で使い、自作のSTM32F4基板(写真右)に接続する事に成功した。
この時、僅かではあるが、OpenOCD のバグを見つけたので、その報告も行う。

私の Ubuntu は、12.04 で、この上で OpenOCD を CMSIS-DAP 対応にビルドする。

$ sudo apt-get install libtool libudev-dev autoconf libusb-dev libusb-1.0-0-dev
$ git clone http://github.com/signal11/hidapi.git
$ cd hidapi/
$ ./bootstrap
$ ./configure
$ make
$ sudo make install
$ sudo ln -s /usr/local/lib/libhidapi-hidraw.so.0 /usr/lib/libhidapi-hidraw.so.0
$ sudo vim.tiny /etc/udev/rules.d/99-hidraw-permissions.rules
KERNEL=="hidraw*", SUBSYSTEM=="hidraw", MODE="0664", GROUP="plugdev"
を追加。
$ cd ..
$ git clone git://openocd.git.sourceforge.net/gitroot/openocd/openocd
$ cd openocd/
ハッシュは『6c74255ee2569bf2748ecbbd252e2a91bbce6644』だった。
$ ./bootstrap
$ ./configure --enable-maintainer-mode --enable-cmsis-dap --enable-hidapi-libusb
$ make
$ sudo make install

トラ技ARMライタとSTM32F4とは SWDIO、SWCLK、NRESET、GNDを接続。

/usr/local/share/openocd/scripts/target/stm32f4x.cfgの 38行目の「 jtag_ntrst_delay 100」をコメントアウトし、STM32F4の電源を入れた状態で、下記コマンドで、OpenOCDが起動する。

$ openocd -c "interface cmsis-dap" -f /usr/local/share/openocd/scripts/target/stm32f4x.cfg
Open On-Chip Debugger 0.8.0-dev-00350-g6c74255 (2014-02-19-22:34)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : only one transport option; autoselect 'cmsis-dap'
Info : CMSIS-DAP: SWD Supported
Info : CMSIS-DAP: JTAG Supported
Info : CMSIS-DAP: Interface Initialised (SWD)
adapter speed: 1000 kHz
adapter_nsrst_delay: 100
cortex_m reset_config sysresetreq
Info : CMSIS-DAP: FW Version = 1.0
Info : SWCLK/TCK = 1 SWDIO/TMS = 1 TDI = 0 TDO = 1 nTRST = 0 nRESET = 1
Info : DAP_SWJ Sequence (reset: 50+ '1' followed by 0)
Info : CMSIS-DAP: Interface ready
Info : clock speed 1000 kHz
Info : IDCODE 0x2ba01477
Info : stm32f4x.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints

これで、6割方は上手く行く。と言うのも、私が持つ3台の Ubuntu 12.04マシンのうち、1台が下記の様にコアダンプして異常終了するのだ。

$ src/openocd -c "interface cmsis-dap" -f /usr/local/share/openocd/scripts/target/kl25.cfg
Open On-Chip Debugger 0.8.0-dev-00350-g6c74255 (2014-02-24-20:34)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : only one transport option; autoselect 'cmsis-dap'
Segmentation fault (コアダンプ)

このマシンは、、CPUがAMD Athlon64X2 4200+ 2.2GHz、マザーボードがMSI K9N6PGM2-V と言う古い古い構成。ハードウエアの内どの部分が悪いかは不明だが、OpenOCDのソースコードの「openocd/src/jtag/drivers/cmsis_dap_usb.c」の176行目を
if ((0 == cmsis_dap_vid[0]) && wcsstr(cur_dev->product_string, L"CMSIS-DAP")) {
から
if ((0 == cmsis_dap_vid[0]) && (NULL != cur_dev->product_string) && wcsstr(cur_dev->product_string, L"CMSIS-DAP")) {
に変更して、ビルドし直すと、問題が解決する。
上記の行、たぶん、バグだと思うので、正式のOpenOCDに反映してもらうように働きかけようかな・・・とも考えている。

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November 17, 2013

デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル

E2891ここ1ヶ月ほど、暇を見つけてはコツコツと写真のような『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』を作っていて、昨日の土曜日にやっと音が鳴るようになった。

なぜ、こんな『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』と言う大層な名前のオーディオプレーヤーを作ったかと言うと、コミケにも出品したポータブル型のデジタルオーディオプレーヤーのさらなる性能向上を目指したからだ。

『ポータブル型のオーディオプレーヤー』は、その名の通り持ち運びに便利なように小型軽量に作っている。そのため、工作や回路変更が難しい。例えば、音を良くするための実験として、ローパスフィルターの特性周波数を変更するためにコンデンサーを交換するが、何回も繰り返すとプリント基板のパターンが剥がれてしまう。また、そもそもローパスフィルターの次数を変えることなど大幅な回路変更を伴う実験などはできない。

そこで、多少大きくても良いから、色々な実験ができるオーディオプレーヤーを別に作り、そこで実験して得たデータを使って、次回作の『ポータブル型のオーディオプレーヤー』の設計に反映しようと考えた。この実験のためのシステムが『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』である。

E2892『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』は左のようなブロック図になっている。『ポータブル型のオーディオプレーヤー』は、電源に単一のバッテリーを使っており、これがノイズの混入などの音質劣化を招いていた。このため、『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』では、独立電源としている。図のうち 3.3V電源のみがデジタル回路用で、5V電源は DAC のアナログ部専用電源、±9V電源が純粋なアナログ用電源だ。

ローパスフィルターやヘッドホンアンプ部は、それぞれ独立したモジュールとして、今後色々な回路を試せるようにしている。
特に、クロック部も独立したモジュールとしている。今までは、音源用のサンプリング周波数は、CPUである STM32F4の内部のPLLで、CPU駆動用クロックから作っていた。音源用のサンプリング周波数に PLL を使うとジッタを発生するため、音質が劣化すると言われている。今後、専用周波数のTCXOを使い、ジッタのないクロックを使って音質が向上するかの実験も行うつもりだ。

このように、『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』は、いままでのポータブル型では試せなかった贅沢な回路の実験を行うので、ずっと音は良くなるはずだ。

だが、『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』、本来、高音質を狙うオーディオでは、やってはいけない事をやっている。
その1つが、回路が過度に分割されていることだ。本当なら、CPU部とクロック部を同じ基板、ローパスフィルターとヘッドホンアンプを同じ基板にすべきだ。その方がモジュール間の結線が短くて、ノイズや音質劣化が少なくて済む。

もう一つは、モジュール間の結線が無駄に長く、コネクタを使って接続していることだ。結線が長いのは、今後、モジュールを交換する時の余裕をみているからで、コネクタを使っているのもモジュール交換するためである。本来、結線は必要最小限の長さにし、コネクタを用いずに直接基板に半田付けする方が音質劣化にならないことは言うまでもない。

このように実験しやすい様にモジュール化したため、多少の問題はあるとは思うが、少なくとも『ポータブル型のオーディオプレーヤー』よりは、良い音になるはずだ。

しかし、『デジタルオーディオプレーヤー・リファレンスモデル』は、昨日やっと最低限の機能である『音楽が演奏できる』ようになったばかりであり、性能的には、まだまだである。クロック部は未だ手付かずで、現状は、サンプル周波数はCPUの内部PLLを使っている。ローパスフィルターは、パッシブのCRフィルターで間に合わせた。ヘッドホンアンプは、CQ出版 の「OPアンプMUSESで作る高音質ヘッドホンアンプ」に掲載されている回路を、そのまま使っている。

特に酷いのは電源部で、 3.3Vだけはレギュレーターで安定化しているが、その他の電源は安定化もせず、ダイオードブリッジの出力にコンデンサーを付けただけだ。

このため、ハム・ノイズが酷い。その上、濁ったような乱れた音に歪んでいる。
早い話が、まだ『ポータブル型のオーディオプレーヤー』より音が悪い。

まあ、一ヶ月くらい、あっちこっち弄ったら、『ポータブル型のオーディオプレーヤー』と同じくらいの音になるだろう。その後は『ポータブル型のオーディオプレーヤー』より良い音になるに違いない。

ある程度、音が良くなったら、試したいことは山ほどある。
・既に言ったように、ジッタの無いクロックだと音は良くなるか?
・音響用の高価なコンデンサーや抵抗だと、本当に音は良くなるか?
・ローパスフィルターの特性周波数や次数は音にどう影響するか?
・OPアンプの種類で、音は違ってくるか?
などなどなどだ。

ある程度、実験が進んだら、また報告する・・


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September 05, 2013

コミケ報告 その4

E286コミケの報告は前回で終わりにしようと思ったのだが、急遽追加。
ブログで、コミケ報告をして、決算赤字で売れ残りがあると判ると、途端に通販希望の方々から連絡が。結局何枚か売れて、その結果、なんと赤字が黒字に反転した。

コミケの分と合わせての決算は以下の通り

 コミケでの売上
  オーディオプレーヤ半完成品 9000 x 3 (準備したのは8枚)
  オーディオプレーヤ生基板  1000 x 19 (準備したのは20枚)
  データロガー半完成品   5000 x 5 (準備したのは10枚)
  データロガー生基板    1000 x 4 (準備したのは20枚)
  合計 75,000円

 コミケ後の売上
  オーディオプレーヤ半完成品 9000 x 1
  データロガー半完成品   5000 x 3
  データロガー半完成品   2500 x 1 (私が買ったので、実費のみ)
  データロガー生基板    1000 x 1
  合計 27,500円


 支出
  オーディオプレーヤ半完成品 4500 x 10 (うち展示品2枚)
  オーディオプレーヤ生基板  230 x 20
  データロガー半完成品   2500 x 10
  データロガー生基板    230 x 20
  コミケ参加費       5000円
  印刷(ちらしと説明書のコピー)
   6x40x10
   7x20x10
   40x10
  合計 88,400円

と言う訳で、14,100円の黒字。

実は、データロガー半完成品については、通販の申し込みがある前に、少しでも赤字解消にと、私とサークル代表の水城さんが、各1枚ずつもらった。赤字分を負担している水城さんは無料で、私は関係者と言う事で実費で買ったわけ。その後、通販の申し込みでデータロガー半完成品は完売となってしまった。

他は、少しずつ余っているけど、とりあえず、これ以上の通販はない予定。
来年の夏コミには、また、更に改良したものを持ち込むつもりだが、それまでお待ちを。

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August 27, 2013

コミケ報告 その3

E285前回・前々回に続いて、8月12日のコミケの報告の3回目。今日はちょいと固い話。おそらく、これでコミケの報告は最後になる。

コミケは、同人漫画のみならず、電子工作のようなハードウエアのオリジナル作品を発表する場としても有効だと言うのは、前々回書いた通りだ。これは、コミケに限らず、Makeフェアーやワンフェスにも同じ事が言える。また、コミケは電子工作だけでなく、機械加工などのハードウエアの発表するのにも有効だろう。

個人が自分で考えたオリジナル作品を発表する。これは、その分野の活性化には不可欠なものであり、コミケは漫画やアニメの分野で何十年も前から、その役目を果たしてきた。その結果、若い才能が芽を開き、クールジャパンと呼ばれる日本オリジナルの文化を生んだのは、私があえて言うまでもない。
コンピュータ・プログラムのようなソフトウエアの世界では、パブリックドメインやオープンソースと言った仕組みが、新しい文化を生む土壌になっているが、残念ながら、日本での認知度は海外に比べて低く、その結果として、海外よりも日本のソフトウエア開発力で後塵を拝する結果となっている。これは、スマホの主流の一つであるAndroidの例でも明らかだろう。

しかし、電子工作や機械加工によって作られる技術的なハードウエア作品の発表の場が少なく、それが日本の技術力低下に繋がっていると、少なくとも私は考えている。この場合「ハードウエア作品」は、フィギュアやミニチュア模型のように外観形状デザインが主で観賞用の動かないものではなく、なんらかの技術的仕組みで機能する作品を指す。フィギュアやミニチュア模型であれば、既にワンフェス等での発表が定着しており、それがクールジャパンの一つの要素になっている。

「機能するオリジナル作品」は、今まで大企業の大量生産で供給されていた。30年前のウォークマンが、その例だ。しかし、少品種大量生産は利潤が大きい一方リスクも大きく、ただでさえ数少ない『新しい作品』の開発に、飛躍したオリジナリティを入れることが難しくなっている。このため、特に日本では、新しい作品を作ると言う『モノ作り』の技術が低下している。日本全体の技術、特に『新しい作品』を飛躍的なオリジナリィを持って作る技術の向上のためには、個人個人が『新しい作品』を発表する機会を増やす事が必要だ。

一方、従来は個人が「機能するオリジナル作品」を発表するのは難しく、その原因は、大きく次の2つだと考える。
1) 開発・製造に物質的コストがかかる事。
2) 機能の再現性が難しい事。それに伴い改変・再配布が難しいこと。

ハードウエアを開発し作り、配布するために生産するためには、部品購入などのコストが必要なのは当然だろう。しかし、コンピュータ・プログラムの場合、当人の人的コストを度外視すれば、コンピュータの電気代やネット等の使用料はともかく、物質的なコストはかからない。漫画であれば、製造料としての印刷代が必要であるが、ハードウエアに比べれば安い。
また、コンピュータ・プログラムであれば、ダウンロードしたアプリケーションが動作する率は高く、さらにソースコードが公開されていれば、それを改変・再配布することは容易だ。漫画の場合、コピーを取れば複製するよとは容易だし、二次創作として改変・再配布することもできる(これはあくまで技術的に可能と言う意味。もちろん、著作権などの倫理的な問題は別にある)

これに対して、ハードウエアの場合、回路図通りに配線したとしても、ちょっとしたハンダ付けのミス等で動作しないことは良くある。それどころか、例えミスなく配線しても、私の作ったオーディオプレーヤの音を再現できる保証はない。それほどにアナログ系の配線は微妙なのである。
しかしながら、電子回路は、ハードウエアの中では再現性がある方で、機械加工品は更に難しい。特に燃焼を伴う機械すなわち内燃機関など、例え設計図通りに作っても全く動かないと言う可能性が高い。
単なる再現性ですら、こうなので、ましてや改良し再配布することなど更に難しいと言わざるを得ない。

そもそも、技術的な工作品において、オリジナル性を主張するほどの「作品性」を持たせる事などできるのかと言う点で疑問を持たれる方も居るとは思う。しかし、この疑問に対する私の答えは明確で「芸術作品と同じく、技術作品においても作者のオリジナル性を反映する作品性を持たせる事は可能だ」と言うことだ。
言い換えれば「技術製品において、機能にアート性を持たせる事」とも言える。これが、40年に渡りオリジナル作品を作り続けてきた私の到達した思想だ。

具体的に、私が今回のコミケで披露したオーディオプレーヤにおいて「機能作品してのアート性」が何であるかは、言葉で言い表すのは極めて難しい。しかし、オリジナルのオーディオプレーヤを作り続けて1年強、設計的に3世代を経て、私なりの『音』をオーディオプレーヤに入れる事に成功しつつある。それが未だ理想的なものでは無いにせよだ。

そして、それは言葉で説明することはできなくても、コミケの会場で試聴してもらった多くの方々には通じた。ほとんどの人は「イイ音がする」と言う反応で、それは私のオーディオプレーヤのアート性の理解の入り口だと思う。しかし、わずかに少数ながら、私がオーディオプレーヤに入れたアート性の存在そのものを理解した人も居るには居た。それが、その人が気に入るか否かは別にして、私が作り出した『音』のオジリナル性とアート性の存在を認める事に他ならない。

繰り返しになるが、私のオーディオプレーヤに込めた『音』のアート性は、言葉で言い表すことは困難で、やはり『音』自体を聞いてもらう他に良い方法は無い。実際に音を聞いてもらうと言う機会と言う意味で、やはりコミケはは、非常に良い舞台である。

ただし、前々回のブログで既に述べたようにオーディオプレーヤは、イノベーションと言う意味では半人前だ。イノベーションは、技術的飛躍だけではなく、新たな価値観の創造と言う意味を持つ。携帯型オーディオプレーヤは、既に30年以上前にSONYによってウォークマンと言う形で世に出され、『携帯性』と『音の良さ』と言う評価基準も定まっている。要は私のオーディオプレーヤもハイレゾ対応と言う新しい技術の導入はあっても、所詮既存の土俵で戦っているに過ぎない。

今回のコミケに出展した、もう一方のデータロガーは、私自身のオリジナルであり、そもそも『データロガー』と言う名称の枠組みを超えた可能性を秘めている。しかしながら、4月からの開発と短期間であり、評価も定まっておらず、他人にその『作品性』を訴える程、熟成していない。そのため、売上もオーディオプレーヤの半分となった。このデータロガーのように、その価値観・評価基準すらもオリジナルな作品こそ、真の意味での『オリジナル』と言えよう。今後は、こう言った真のオリジナル作品を作り、発表することに、より力を入れたい。

話がそれたが、主題は、「機能するオリジナル作品」におけるコミケの役割・有効性である。ハードウエアを伴う作品の開発生産には、物質的コストが伴う事が問題であるのは既に述べた。しかし、前々回のブログでも書いたように、近年、オリジナル作品の少量生産に必要なコストが激減しており、コミケなどを通じて、数十個販売することができれば、損をしない程度になっている。今回は格安になったプリント基板製作がキーになったが、いずれは、SOC(システムオンチップ)も格安で作れるようになり、それがコミケで売られるようになるだろう。

また、「機能作品してのアート性」を理解してもらうためには、実際に見て聞いて触ってもらうと言う貴重な機会をコミケは持つ。
こうした「オリジナル作品」が人から人へ渡り、進化し続ける事が、本当の意味の日本の技術力の向上に繋がると、私は信じている。

もう一つの「再現性・改変・再配布が難しい」ことに対する答えは未だ無い。

今回、我々のサークルでは残念ながら赤字であったが、後に続くものに、せめて損をしないためのノウハウとして、箇条書きであるが、私の気付いた点を羅列しておく。
・「ハイレゾ」と言った「売り言葉」を用意し、できれば大きく書く。
・「ハイレゾ」は時流に乗った
・ちらしは多いほうが良い
・シリーズ物にしたり、レギュラーにした方が売れる。
・試聴は高いイヤホンではなく、5000円以下のイヤホンの方が良い。
 (高いイヤホンだと、良い音はプレーヤのせいではなくイヤホンのためと思われる)
・午前の方が売れる、除く10:00〜10:30
・AC100Vは無いので、バッテリーを多めに準備
・携帯電波特にスマホは混雑のため、なかなか接続できない
・太文字マジックやホチキスは必須。
・実装基板はオペアンプを付けずにいたが、完成品にすべきだった。
・逆にQFPのみ付けると言うった組み合わせもありか?
・汗が動作中の基板に落ちて、オーディオ基板が1枚アウト
 真夏のコミケならではのアクシデント
・しかし一方試聴としては、むき出し基板の方が迫力がある。
 防湿コーティングが必要?
 それとも透明ケースか?
 ともかく、イソプロピルアルコールで洗浄したら直った。

以上が、どこまで役に立つかは判らないが、今後、コミケにオリジナル作品を作って参加する方は是非参考にして、少しでも赤字を少なく、できれば黒字を出して、小遣い銭でも稼ぐようにして欲しい。そうすれば、ただでさえ家族から「また無駄使いして、変なものを作って」と非難されることも減り、新たなオリジナル作品の開発に勤しめる事うけ合いである。

こうやって、多くの人がオリジナル作品を作り発表し続ける事が、日本全体の技術向上に繋がることは疑い無い。しかし、コミケ程度では、赤字を出さずに小銭を稼ぐ事はできても、大金を儲ける事も、雇用を生み、日本経済を支えるところまで繋げる事は、私には未だ方法が判らない。誰か、このミッシングリンクを見つけて、儲かる方法を考えて欲しい。

他にやることもあるので、とりあえず今年末の冬コミは止めて、次回は来年の夏コミに参加予定する予定だ。来年の夏コミまでには、オーディオプレーヤは更に磨きをかけ、データロガーは『作品』として熟成をし、それら以外にも幾つか新しい作品を持ち込めるようにしたい。

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August 25, 2013

コミケ報告 その2

E284前回に続いて、8月12日のコミケの報告。今日は軽い話。

12日の朝8時、国際展示場正門駅改札で、当サークル代表の水城さんと落ち合う。直ぐに手伝ってくれることになったモりやまさんに電話。駅改札は余りにも人が多いので、もう少し空いている場所で落ち合う事にする。
モりやまさんは、直前に Twitter で手伝いを募集した時に手を上げてくれた。他にも手伝いを表明してくれた人が居たのだが、旧知の仲と言うことで、モりやまさんに頼んだ。他に表明してくれた方々、どうも有難うございます。

ビックサイト前のペデストリアンデッキ上の広場でモりやまさんと会って、サークル入場なので、あっと言う間に会場入り。一般入場だったら、2時間並ぶと言う噂も聞いたが、後で、一般で入った人に聞いたら、そんな混雑は無かったらしい。

すぐに、我がサークル「航天機構」が陣取る 東 "へ"ブロック12bへ行く。私はコミケ自体に来たことが無いし、水城さんも一般として来たことがあるだけ。でも、助っ人の モりやまさんは何度もサークル参加しているそうで慣れていて助かった。

会場は、本来モーターショーなどを行う だだっ広いところ。毎年、お盆と年末の2回、3日間ずつコミケが行われる。
その広くて屋根が高いところに、数多くの長テーブルが、四角く並べられている。それぞれの四角く並べられた長テーブルに「ハ」だとか「ペ」だとか「ヘ」と言うブロック名が付いている。
それで、その長テーブルの一つの更に半分が、一つのサークルに割り当てられる。サークル毎に長テーブルの上にパイプ椅子が2つ畳んだ状態で置いてあった。サークルは3名までなのだが、椅子は2つ。つまり一人は立っていないといけない。
次に参加することがあったら、キャンプ用の椅子か何か持ってくるようにしよう。

さっさと、テーブルの上に試聴用の基板などを並べて、開場を待つ。チェックの人が来る。同人誌なら、一冊ずつ、コミケ本部に納めなければならない。だが、我々のように電子回路のような『モノ』は納めても保管場所も無いらしく、納めたのは電子回路と一緒に配布する説明書だけで済んだ。

開場が近付くと、会場のあちこちに列ができ始める。人気サークルのグッズを買うための列だ。本来、一般客は、10時の開場まで入れない。しかし、サークル参加であれば、もっと前から入場できる。売り切れしやすい人気サークルのグッズを買うためにサークルメンバーとして入場した人達が列を作っているのである。このためだけにサークルメンバーとして参加する人も居るらしい。
列ができるのと合わせるように、警備隊も現れる。警備隊は、男も女も居るが、別にお揃いのユニホームがあるわけではけど、何となく警備員と見えるようなファッションだ。これに、見るからにフニャフニャの警棒を持っている。発泡ウレタン出できているのだろう、叩かれても痛くなさそうだ。このフニャフニャの警棒で警備できるとは、何とも平和なものだ。

さて、いよいよ 10時の開場だ。それまで、閉めていたシャッターも開かれる。
拍手と共に、一般客が入ってくる。大勢が列に入ってくるだが、混乱は無い。走る人も列を乱す人も居ない。人数のわりには、驚くほど静かだ。

いくら静かと言っても人数が人数だ。今回のコミケは3日間で59万人と史上最高の人出だったらしい。12日は平日だったこともあり、3日間の中では人が少ない方とは言え、相当な人が集まっている。
開け放たれたシャッターから真夏の熱気が入ってくるのと共に、人出の熱気で会場の温度が一気に上がる。

大量に入ってきた一般客は、人気サークルのグッズを買うために、先ほどからできていた列に並ぶ。沢山の人が、我々のサークルの目の前を通り過ぎたが、立ち止まる人は誰も居ない。10時30分になり、人気サークルのグッズが売り切れた頃に初めて、我々のサークルに人が来るようになった・・と言うのは前回書いた通り。

コミケ自体は、8月10日(土) 11日(日) 12日(月)の3日間続くが、今回我々が参加したのは、12日(月)の一日だけだ。3日間の期間中、唯一平日なので入場者が最も少ない。
1日毎にテーマが決められていて、12日(月)のメインテーマは、同人ソフトだったらしい。もちろん、国際展示場の広大な会場が、全て同一のテーマで統一されているわけではなく、種々雑多なテーマも、また併せられている。我々の属する電子工作系テーマも、その一つだ。ちなみに、最も人気の高い漫画・アニメ系のテーマは11日(日)だったらしい。

電子工作系と言っても、さらに細分化し、ゲームソフト、OS等のソフト、オーディオ系電子工作、その他の純粋な電子工作となるようで、我々の居た"ヘ"ブロックは、大半がオーディオ系電子工作だった。他の電子工作系サークルも近くにあるので、見に来る客は、元々電子工作好きが多い。

しばらくすると、コスプレしている人が増えてきた。我々のサークルのある場所は、コミケ会場の中に幾つか点在するコスプレ広場へ行く通り道になっているらしい。

「規制緩和されて、露出度が増えていますよ。前は、ヘソを出してはいけなかったのが、今回はヘソ出しOKですから」
コスプレ広場へ行くコスプレイヤーは、電子工作には興味がないから、我々のサークルに立ち寄ることもない・・・・と思ったら、そうではない。コスプレした人も何人も立ち寄って、オーディオプレーヤの試聴とかしていく。

「データロガーって、何ができるんですか?」と、小動物の耳が生えたコスプレをした女の子が色々聞いてきた。聞けば、某大学の鳥人間コンテスト・サークルに所属していて、琵琶湖で飛ぶ時のナビゲーションの方法を探しているんだそうだ。
売り物にしていたデータロガーは、GPSなどの受信機能はなかったので、残念。
(別に、そう云う航法用のデータロガーも作っているんだよ、それも超音速でも使える奴を・・・って言えば良かったかな?)
終始、その女の子は人力飛行機とナビゲーションの話をしていたのだが、後から別の人に聞くと、その娘のコスプレは、空を飛ぶ飛行機(それも零戦)に擬人化された少女のアニメ・キャラクターだったらしい。
骨の髄まで、空を飛ぶのが好きなんだな・・・

人が増えてくるに従い、会場の温度が上昇する。会場には冷房が無いわけではなく、実際、10時の開場までは涼しかった。
しかし、開場と共に外に通じるシャッターが開かれたままになり、外の暑い空気が入ってくるだけではなく、入場して来る人の熱気で、会場の温度は上昇し続ける。

「人数の多かった昨日は、もっと暑かったですよ。天井が見えなくなるくらいに霧というか雲が会場の上層にできました。」と、昨日もコミケに来ていたモりやまさん。
まあ、11日は、東京の最低気温が30度を越えたと言う超猛暑日だったからなあ。

暑いと、のどが乾く、熱中症になったらイカンので、水を補給する。家からペットボトルと水筒を持って行ったのだが、そんなものでは足りない。会場にある自動販売機でスポーツドリンクを買うのだが、補給したばかりのようで生暖かい。

サークルメンバーは3名なのに、パイプ椅子は2つしか無いので、誰か一人は立っていなければならない。私以外の二人は肥満気味で運動不足のようなので、可能な限り私が立っていた。とは言え、直接客と話をする係になった時は座っていたけど。

12時頃になると、コンビニで買っていったサンドイッチを食べる。10時を過ぎると会場からの出入りは自由になるので、外に昼食を食べに行っても良いのだが、時間がもったいない。

閉会の16時まではあっという間で、時間通りに片付けて帰路に付く。
我々のサークルがあった東館から出ると、ゆりかもめ線の国際展示場正門駅より一つ東の有明駅の方が近いので、そこから新橋駅に向けて乗る。意外と空いていて座ることができた。
国際展示場正門駅から乗ってくる乗客も、そんなに多くない。ラッシュ時の山手線の方が遥かに多い。コミケ終了時は混雑して、改札は入場制限になるほどだって噂で聞いたけど、そんなに酷くはない。

新橋の焼肉屋に3人で入る。私以外の2人は医者に酒を禁止さているので、ビールの飲むのは私だけ。私だって、そんなに飲めないのに。

焼肉を食べながら反省会。電卓叩いて「赤字だったね」とか、「売り子に女の子入れても売り上げには関係ないね」とか。

焼肉屋を出たら、土砂降りになっていた。
傘を持っていない。
次回参加する時は、折畳み傘を忘れないようにしよう。

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August 23, 2013

コミケ報告

E2838月12日(月)にコミケにサークル参加した。ちょっと遅くなったが、その報告だ。実は私は今までコミケに行ったことが無かった。サークルのみならず一般客としてもだ。
今回は、初めてのコミケなのだが、いきなりサークル参加して、自分の作ったものを売ることになった。コミケで売ると言っても、漫画ではない。電子工作だ。
コミケで販売したのは、基本的には2種。一つ目は「ハイレゾ高音質携帯オーディオプレーヤ」、もう一つは「液晶付きデータロガー」だ。それぞれ、「部品を全く載せていない生基板」と「主にハンダ付けが難しい表面実装部品だけ付けた半完成品」の2パターンずつ、計4種を売った。

コミケは本来、同人漫画を売るところなのだが、オリジナルの電子工作も売ると知ったのは、去年の夏だ。コミケで、オリジナルのヘッドホン・アンプの基板を売っていると知って、それなら当時私が作っていたオーディオプレーヤも売れるんじゃないかと思った。
昨年末のコミケはサークル参加申請が間に合わず、参加していない。が、この時に一般客として行った水城さん(当コミケ・サークルの代表)が、オーディオプレーヤを持参した。コミケ会場に居たヘッドホン・アンプを扱っているサークルの人に音を聞いてもらったところ、「そんなに音は良くない」との反応を受けた。
それで奮起して、二人でオーディオプレーヤを改良し、今回のコミケに向け音質を大幅に良くした。
データロガーの方は、今年の4月に作り始めたばかりのもの。これは私自身が電子工作をするときに、ロジアナやオシロスコープよりも遅くて良いから、数時間から数十時間連続でデータを記録するロガーが欲しいと思い作ったものだ。通常、ロジアナやオシロスコープのサンプリング周波数は遅くても数十MHzだ。それに対して、私のデータロガーのサンプリング周波数は10kHzしかない。しかし、単三電池2本で数十時間のデータをmicroSDに記録し続けることができる。

オーディオプレーヤもデータロガーも、主に私が回路設計やプログラミングを行い、水城さんがプリント基板のパターンを作っている。プリント基板は、無料のCADでパターンを作り、それをインターネットで送れば、中国の工場から10枚2300円で送ってくれるというモノ。これ、15年前だったら、4〜50万円かかって当たり前だった。できた基板に主に水城さんがハンダ付けし、私が回路テストを行う・・と言うのをオーディオプレーヤの場合は3回、データロガーの場合は2回繰り返した。

さて、コミケ当日、8時に会場入りし、準備をして、10時の開場を待った。周りは、ほとんどが電子工作関係。おなじような種類のサークルを集めているらしい。
10時になると一般客が流れるように入ってくる。意外と整然としていて静か。今回のコミケは3日間で59万人が来場するという空前の人出だったらしいが、目立った混乱はない。

開場と当時に入ってくる大量の客は、お目当てのサークルへと急ぐ。人気サークルのグッズは早く行かないと売り切れるからだ。このため、開場から30分は全く客が来なかった。10時30分になり、人気のグッズが売り切れた頃になると、客がやってくるようになった。

まずは、展示品のオーディオプレーヤを試聴してもらう。
「音がイイね」と言う反応が、ほとんどだった。昨年末のコミケの反応とはエラい違い。改良したかいがあったというものだ。すかさず
「96kHz 24bitのハイレゾ音源対応の完全自作オーディオプレーヤです。」と言うと
「え、ハイレゾのオーディオプレーヤが自作できるんだ」と好感触。
全く誰にも見向きもされない可能性すらあったのだが、意外と受け入れられた。

こうして、12時頃まで、それなりに売れて、この分だと売り切れるかな・・と甘い期待も。しかし、午後になってから売れ方が鈍化。多少は売れたけど、売り切れって事は無かった。

と訳で、多少は売れたが、儲かってはいない。結果は残念ながら赤字だった。

内訳は以下の通り。
 売上
  オーディオプレーヤ半完成品 9000 x 3 (準備したのは8枚)
  オーディオプレーヤ生基板  1000 x 19 (準備したのは20枚)
  データロガー半完成品   5000 x 5 (準備したのは10枚)
  データロガー生基板    1000 x 4 (準備したのは20枚)
  合計 75,000円

 支出
  オーディオプレーヤ半完成品 4500 x 10 (うち展示品2枚)
  オーディオプレーヤ生基板  230 x 20
  データロガー半完成品   2500 x 10
  データロガー生基板    230 x 20
  コミケ参加費       5000円
  印刷(ちらしと説明書のコピー)
   6x40x10
   7x20x10
   40x10
  合計 88,400円

となり、差し引き13,400円の赤字と言うわけだ。あと、オーディオプレーヤ半完成品とデータロガー半完成品が1枚ずつ売れれば、とんとんだったんだけどねえ。それとも半完成品を少なくしておけば良かったか。


さて、なんで私がコミケに参加して、わざわざ決算報告をブログで公開しているかと言うと、「オリジナルの作品を、損しないで開発し世に出すことができるか」と言うことを試したかったからだ。

例えば、オーディオプレーヤは、ウォークマンや iPod のようなものだ。だが、大手のSONYもAPPLEも、まだハイレゾ音源対応の携帯オーディオプレーヤを作っていない現在に完全自作で作ってしまおうと言うモノだ。まあ、大手じゃなくてマイナーメーカーなら、ハイレゾ対応のオーディオプレーヤもあるようだが、とても高価なので、完全自作の方が安いので存在意味はそれなりにある。

今から30年前に携帯オーディオプレーヤつまりウォークマンを開発しようものなら、開発だけで何百万だか何千万だかの金額が必要だっただろう。生産のための設備投資は億を軽く超えるんじゃないかな? この投資を取り返すためには、何万個とか何十万個売れないとダメだった。もし、売れなきゃ開発費と生産設備への投資の分だけ赤字になる。とてもじゃないが、個人でリスクを負える金額じゃない。

ところが、昨今では、既に書いたようにプリント基板が15年前の100分の1くらいのコストで作れるようになった。電子部品も小型軽量で高性能なものが秋葉原やネット通販で買える。プログラミングも全てフリーのツールで可能だ。これらは電子工作だけではない。今回は使わなかったが、話題の3Dプリンタを使えば、CADで作ったモデルを実際に格安で作ってくれる業者もある。

この結果、オーディオプレーヤは正確には計算していないが、4万円くらいで開発できた。
今回は赤字だったが、例えば、オーディオプレーヤとデータロガーの半完成品を、完成品にして3枚ずつ程度にしていれば、赤字解消になるどころか、4万円ほどの黒字になる計算になる。つまりオーディオプレーヤの開発費も得ることができたわけだ。

要は何が言いたいかと言えば、「30年前は、オリジナルの電子機器を開発するには、数万〜数十万の人に売れる必要があり、そうでなければ、数億円を超えるリスクを負う」だったのが、「現在では、30人程度の人に売れれば損しない。仮に丸損しても数万円」って事になる。

要は、技術開発の「損益分岐点は、販売数が数万だったのが、数十個になった」と言うことと「開発に伴うリスクが極端に減った」と言う事だ。

何万と言う人に受け入れられなければ、数億円と言うリスクと伴うのであれば、個人がオリジナルなものを作るのは極めて難しい。
しかし、数十人に受け入れられれば損そせず、万一まるでダメでも数万円の損で済むなら、個人が自由な発想でオリジナルなものを作るのも容易になるだろう。

正直に言うと、イノベーションと言う側面で見た場合、オーディオプレーヤは半人前だ。イノベーションとは技術的な進歩だけじゃなくて、新しい価値観の創造もある。オーディオプレーヤは、言ってしまえば、ウォークマンやiPodの価値観を借りただけだ。それをハイレゾ対応に改良しただけに過ぎない。

しかし、データロガーは、価値観も含めて私のオリジナルである。この世になく、私自身が欲しかったものを具現化して、コミケと言う場所で世に問うたものである。でも、売上は、オーディオプレーヤの半分。なかなか、価値観の創造は難しい。
まあ、ろくな事前の宣伝なしで、半完成品と生基板あわせて9枚も売れたのだから、ある意味成功だったのだが。

さて、ここまででも、十分に長文になってしまった。
まだまだ、コミケの情報で書くことは残っているのだが、また、別の機会にするかなあ。

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August 09, 2013

コミケに行く!!

E282この夏のコミケに出展する。
8月12日の月曜日 東 へ12bだ。
売るのは、デジタルオーディオプレヤーとデータロガー
幸か不幸か、スケジュールが空いたので、12日は私も参加できることになった。
興味がある方、是非、来て下さい。

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July 14, 2013

ファイナルオーディオデザインのHeaven IVを買った

E281先週末、秋葉原に行って、イヤホンを買った。
今までは、SONY MDR-EX310SL を使っていた。これはこれで、実売5000円以下のイヤホンとしては申し分ない性能なのだが、自作のオーディオプレーヤーが熟成してきたため、完全に力不足になったのだ。
そこで、ひとクラス(ふたクラス?)上の1万〜2万円台のイヤホンを買うことにした。まずは、ヨドバシカメラで片っ端から試聴する。私の作ったオーディオプレーヤーは、どうもマルチドライブのバランスドアーマチュア(BA)型とは相性が悪いのか、高音と低音の繋ぎ目で音が乱れる。また、SHUREのBAは、シングルドライブであっても相性が悪いようで、早々にSHUREが候補から外れる。

最後まで候補に残ったのは、ゼンハイザーのIE60とファイナルオーディオデザインのHeaven IV。
IE60は、今まで使っていたEX310SLと同じくダイナミック型。低音が得意なダイナミック型だけあって低音が効くし、それだけでなく、中音以上もシャキッとしている。
対して、Heaven IVは、本来低音が苦手なシングルドライブのBAと言う形式だが、その割には低音が効く。ただし、低音が効くと言っても、あくまでもBAシングルの割には、と言う断り書きが付いていての話であり、聞き比べると、IE60どころかEX310SLよりも低音が効かない。その代わり、中音から高音が綺麗に出る。
価格はIE60の方が3000円高い。
考えに考えた挙句、Heaven IVを買うことにした。理由は、IE60は今まで使っていたEX310SLと同じダイナミック型であり、方向性として、その延長線上にあり、今までと変化が少ない。
一方、Heaven IVはBAと言う全く違う形式で、音の性質もダイナミック型とは全く違った方向性を持っている。また、私の自作オーディオプレーヤーは、今まで使っていたイヤホンに合わせたためか、ダイナミック型イヤホンは上手く鳴らすことができるが、BA型イヤホンが苦手な傾向にあり、それを直すためにも、BA型を購入することにした。
実は、Heaven IVも試聴の段階で、高音領域に割れたような音が入る傾向にあった。帰宅後、ヘッドホンアンプの出力部に22Ωの抵抗を入れたところ、見違えるように改善した。インピーダンスのアンマッチングにより、イヤホンからアンプへ変な反射があり、アンプで異常な帰還がかかっていた可能性が高い。さらに超高音領域が出すぎているように思えるので、LPFの特性を変更した。これも効果があった。
まだ、エージングが十分に済んでいないが、中高音域の伸びは流石はBAだ。ハイレゾ音源で聞き比べると、今までEX310SLで聞いていてサビの女性ボーカルはソロだと思っていたのが、Heaven IVで聞くと前半ソロの後そっとコーラスが加わるのが判った。低音はEX310SLには及ばないものの満足できないほどではない。

ところで、私がファイナルオーディオデザインのイヤホンを買ったと言うと、首をかしげる人も居るかも知れない。ファイナルオーディオデザインと言う日本のマイナーメーカーの存在自体知らない人が大多数だろうが、存在を知っている人なら私のキャラと合わないと思うに違いない。
実は、最初、私自身ファイナルオーディオデザインの存在自体知らなった。何の予備知識もないまま、ヨドバシカメラで試聴した時に、ゼンハイザーのIE80/IE60とファイナルオーディオデザインのHeaven IVがベストと思った。まあ、この時点ではゼンハイザーやSHUREも知らなかった。つまり、何の先入観もない状態で聞き比べたわけだ。
帰宅後、ファイナルオーディオデザインをネットで調べて驚いた。真空管アンプや異様な材質を使った変なデザインのイヤホンなどを作っているマニア向けのマイナーメーカーだった。私はオカルト的なオーディオマニアが嫌いで、スピーカーケーブル等に材質に凝るような事には疑問視している。つまり、ファイナルオーディオデザインは、私の嫌っているオカルト的なオーディオマニアを対象としているメーカーのようなのだ。実際、ファイナルオーディオデザインのホームページの製品ラインナップを見ても、私が欲しいと思うものは一つもなかった、Heaven IVを除いては。
ファイナルオーディオデザインのWeb上での調査後、再び、ヨドバシカメラでHeaven IVの試聴をしてみた。こんな変なメーカーのイヤホンを良いと思うなど、耳が曇っているじゃないかと疑ったからだ。しかし、何度となく、試聴を繰り返しても結論は同じ。Heaven IVは、この価格領域ではIE60と並んで、音が良い。先入観のない状態で、耳だけで選んだのだから、純粋に音は一番良いんだろう。逆に予備知識のある状態で試聴したら、ファイナルオーディオデザインの製品は選ばなかったのかも知れない。
Heaven IVは非常に素直な設計で、ファイナルオーディオデザインの製品の中では特異な存在であり、ファイナルオーディオデザインの製品とは思えないほどだ。同じHeavenシリーズでも Heaven Vは、ファイナルオーディオデザインの製品らしく材質が真鍮と耳を疑うような素材を使っている。Heaven Vも試聴してみたが、明らかに音が劣化している。Heaven IVの高剛性ステンレス構体を剛性の弱い真鍮に変えているから当たり前だ。これで、Heaven IVよりも1万円も高いのだから、正気を疑いたくなる。冗談ではなく、本当に、Heaven IVはファイナルオーディオデザインの製品ではないと思っている。他メーカーのOEMなのではないだろうか?

とにかく、Heaven IVは、異端のファイナルオーディオデザインの中では、異端の存在だ。異端の異端だから、逆に中央に戻ってきているのだが・・
結局、考えに考えた挙句、自分の耳を信じる事にした。確かに変なメーカーの製品かも知れないが、Heaven IVは確かに偏見なく良い音に聞こえたのだから。

もう一つ、読んでいる方々が首をかしげることがあるかも知れない。私の事を「良い音で音楽が聞きたいのか、それとも良い音を出したいだけなのか?」と言う疑問だ。既に述べたようにHeaven IV購入後、アンプ出力のインピーダンスの調整を行ったり、LPFの特性を変更している。しかし、ゼンハイザーのIE60ならば、そんな調整をしなくても、最初から良い音が出ている。音楽を楽しむだけなら、余計な苦労をせずに、ゼンハイザーのIE60を買ったほうが早い。
確かに私は音楽を聴くより、BA型と言う新しいタイプのイヤホンで良い音を出す事に夢中になって、本来の音楽を楽しむことが疎かになっている。そもそも、ハイレゾ音源で聞きたい曲もないのに、ハイレゾに対応するようなイヤホンを買う事自体、目的と手段を混同した間違いだ。まあ、これがマニアがマニアたる所以であり、ファイナルオーディオデザインの事を云々言える立場ではない。

と言うわけで、マニア的な視点から言うと、当面の目標は、シングルBAのHeaven IVで良い音を出し切ること、そして、その次は、SHUREを代表とするマルチドライブBA型イヤホンで良い音が出るように挑戦することだ。また、その先にもゼンハイザーのHD800のようなインピーダンスの高いヘッドホンのドライブなどなど、課題は山積みである。

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June 29, 2013

コミケに出店

E2801この夏のコミケに出店(出展?)することにした。
出し物は、「デジタル・オーディオ・プレーヤー」と「デジタル・アナログ・シリアルI2Cロガー」の2つで、8月12日の東地区 ”ヘ”ブロック 12bだ。

一枚目の写真が「デジタル・オーディオ・プレーヤー」。写真は2号基板だが、数箇所間違いがあった。コミケでは間違いを修正した2.1号基板を販売する予定だ。
まだ、2.1号基板は昨日届いたばかりで、音が出せるまで作り込んだものはないが、主要部分がほとんど同一の2号基板では、以前の1号基板と比べると、格段に音質が向上した。妻が聴いて「前は音楽が聞けるってだけのレベルだったが、今度のは音楽鑑賞になるレベル」との事。まあ、妻はオーディオには素人なので、あくまで参考にと言う事で。
対応する音源フォーマットはWAVとMP3。WAVは44.1kHzや48kHzの16bitだけではなく96kHz24bitのハイレゾにも対応する。

E28022枚目の写真は「デジタル・アナログ・シリアルI2Cロガー」略してロガー。このロガーの存在は、これがネット上での初公開。どんなものかと言うと、デジタル8チャンネル、アナログ3チャンネル、シリアル1チャンネルのデータを液晶に表示すると共にmicroSDに記録するというもの。なお、I2Cに関しては、入力端子は出しているものの、まだプログラムを作り込んでないので、動作は未確認だ。
このロガー、デジタルとアナログ入力はサンプリングレートが10kHzと低速だ。しかし、50mAしか消費しないので、例えば、単三電池4本だと、39時間連続で記録できる計算になる。データ量だけで単純計算するなら、4GBのmicroSDで20万時間100時間以上記録できることになる。私自身が、この様な低速だけど長時間記録できるロガーが欲しかったので作ってしまった。他にもプログラムを変えれば、超音波風向風速計のベースにもなるんじゃないかと思っている。
写真のロガーは1号基板で、やはり間違いがあった。コミケには修正した基板を持ち込む。

両方共、STM32F4を使ったデジタルオーディオプレーヤーのWikiで回路図やプログラムの公開・サポートを行う予定。

コミケで販売するのは、オーディオ・プレーヤーとロガー共に基板30枚ほど。ほとんどは部品の取り付けてない生基板での販売だが、それぞれ数枚は完成品もしくは表面実装部品など取り付けにくい部品だけ半田付けしたものを売る。価格は未設定だが、損しない程度で、あまり儲けにはならないくらいの良心的な価格にするつもりた。

私自身、予定が色々あって当日行けるか、まだ判らないが、都合が付けば、コミケに行くつもりだ。
皆さんも興味のある方、是非よろしく。

2013.09.29 修正:データロガーの記録時間は、20万時間ではなくて、100時間以上でした。お詫びして訂正します。

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June 23, 2013

ハイレゾ・オーディオって誰のためのもの?

E279自作のデジタルオーディオプレーヤーも96kHz 24bitに対応し、それなりに音質も良くなってきたので、私も曲がりなりにもハイレゾ・オーディオに足をつっ込んだ訳だが、ここで困ってしまった。聞く曲が無いのだ。ネット上にハイレゾ音源の販売はあるにはあるが、ほとんどがクラシックかジャズ。たまに日本人のボーカルの入った曲があっても、古い人ばかり。いくら歌唱力に定評あっても古い人の歌声なんか聞きたくないもんね。売る気が無いかとうたがいたくなるくらいハイレゾ音源で聞きたい曲が無い。
そもそもターゲットが間違ってんじゃないの?
今、新たにハイレゾ音源が欲しい人は、どんな人だろう?まだ、WalkmanとiPodがハイレゾ音源に対応してない現在、ハイレゾ音源を聞くのは事実上パソコンにUSB-DACを接続するのに限られる。まあ、私のように携帯型のデジタルオーディオプレーヤーを1から自作すればモバイル環境でハイレゾ音源を聞くことは可能だが、これは例外中の例外だろう。
ハイレゾ音源を聞くには、物凄い高性能ではないが、それなりにアクセスの速い性能を持つパソコンとハイレゾ音源をダウンロードするためのネット環境が必要になる。これにUSB-DACとアンプ、それにイヤホンやスピーカーを追加すれば良い。パソコン・ネット環境以外にかかる費用は、イヤホンなら3万円くらいか?ハイレゾ対応でヘッドホンアンプ内蔵のUSB-DACが実売価格1万3千円程度、イヤホンが1万5千円強とした。もちろん、イヤホンは安いのも高いのも幾らでもあるので、合計3万円はハイレゾがそれなりに味わえる価格だと思う。スピーカーで聞くならなら、5〜8万円くらいだろう。
つまり、パソコンとネット環境があれば、数万円でハイレゾ音源が楽しめる時代が来たわけだ。元々パソコンとネット環境を揃えて居る人は新しもの好きのオタクが多いので、数万円でハイレゾ・オーディオが手に入るなら、喜んで買う人が多いだろう。実際に買っちゃった人も少なくないんじゃないかな?
すなわち、ハイレゾ・オーディオに新規で参入した人達と、その予備軍には大量のオタクが控えてるって事。ところが、問題はハイレゾ音源にはオタクの聞きたい曲が無い。
オタクは趣向に関しては自尊心が高いから、どんなに偉い先生がクラシックが正統な音楽ですよと言ってもそんな話には聞く耳を持たない。だから、クラシックなんか聞く気もない。まあ、クラシック音楽オタクは聞くだろうけど、それはそれ。ジャズは本来私は嫌いじゃないはずなんだけど、ネット上にあるハイレゾ音源のジャズは、なんか高尚(?)すぎて私に合わないものばかりだった。
オタクは統一的に好きな曲があるのではなく、各自てんでバラバラ。一般的にオタクはアニソンが好きと思われているみたいだが、オタクが皆アニソン好きな訳じゃない。まあ、アニソン好きのオタクが多く居るのを否定はしないが。
重要なのは、オタクがアニソンを否定しないって事。「オタクがアニソン好き」と「オタクがアニソンを否定しない」は、全然違うんだよ。混同する人が多いけど。
オタクは自分の価値観を重視するのと同じく、他人の価値観を認める。例えば、あるオタクがアニソン好きで無くても、他のオタクがアニソン好きを価値観の個性として認めるんだ。オタク以外なら、アニソンなんかくだらないの全否定で終わっちゃうけどね。
ネット上でのオタク同士の議論が、使う言葉が激しいので、オタク同士はいがみ合っていていると、誤解されがちだが、そうでは無い。互いの価値観の個性を認めているから、議論になる。クラシックの大先生なんかアニソンの議論どころか批判すらしない。議論や批判する価値すら無いと思っているんだねぇ。ここまでのところ、「アニソン」を「AKB48等の歌謡曲」と置き換えても同じ。
だいぶ話がそれてしまったが、元に戻すと、ハイレゾ音源はクラシックと高尚(?)なジャズばかりで、歌謡曲はほとんど無く、アニソンは皆無だと言う現状は、「アニソンなんかハイレゾで聞く価値無し」と言われているような気がしてならない。そりゃそうかもしれないと思うところが無いわけでもないが、本当に聞いてみなきゃ、ハイレゾでアニソンを聞く意味があるかどうかわからんだろう。
「残酷な天使のテーゼ」とか、中川翔子の「空色デイズ」などは、超高音質で再レコーディングしてハイレゾで配信してくれたら、喜んで買うぞ。ジャズだったら、プラチナジャズのようにアニソンをカバーしてくれると嬉しい。
聞いた結果、アニソンをハイレゾで聞く意味が無いと言う事になっても構わない。多少とも良い音で聞けたら、それで自己満足できれば十分だ。趣味の音楽鑑賞なんて、そんなもんさ。
アニソンや歌謡曲がハイレゾで販売されないのは、レコード会社や事務所との関係とか著作権の問題かもしれない。しかし、ハイレゾ配信にアニソンや歌謡曲が一切無い現状を見ると、やはりアニソンや歌謡曲がハイレゾで聞く価値のない「劣った音楽」とされているとしか思えない。別にクラシックよりアニソンが優れた音楽と言う気はないが、だからと言ってアニソンがクラシックに比べて劣っているとも思わない。聞く人の趣向によって好き嫌いはあって当然だが、基本的に音楽の種類で優劣なんかない。クラシックのように学校で教えられる音楽だけを優れた音楽だというのは権威主義としか思えない。個人個人の価値観を尊重するオタクにとって、権威主義ほど忌み嫌われるものは無い。

長くなったな。
要は、まとめると言いたいことは以下の3点。
1.ハイレゾ音楽の購入予備軍には大量のオタクが居る
2.配信・販売されるハイレゾ音源に、アニソンや歌謡曲が無い
3.ハイレゾ音源にアニソンや歌謡曲が無いこと自体よりも、その裏に見え隠れする権威主義に嫌な感じがする
だ。

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