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September 25, 2011

超光速

E244「ニュートリノは、光速よりも速い!?」と、一昨日から、騒ぎになっている。
昨日の読売新聞は、朝刊一面トップ記事の扱いだ。
まあ、「まだ、真実か判らないから慎重にもっとすべきだ」「いい加減な無責任なコメントが多い」とか、訝しんでいる人も多いが、私は、このマスコミの扱いを嬉しくすら思っている。
たとえ、飛び石連休の間の土曜日とは言え、三大新聞の一角である読売新聞の平日の朝刊一面トップは、破格の扱いである。(朝日と毎日それと日経では、どう扱っているのか知らない。我が家が読売新聞を取っているのは、コボちゃんが面白いからである)

まだ、本当にニュートリノが光より速いか判らないし、もし本当に、ニュートリノが光より速くても、わずか4万分の1速いだけだし、それによって一般家庭生活が影響受けるってことは、まずあり得ないだろう。そんな純粋な物理実験と理論の記事が一面トップ記事となると言うのは、日本が平和で豊かになり、科学や学問に理解を示している証拠だ。

マイケルソンが実験して、光速が一定であることを見つけたのが、1881年(明治14年)。さらに精度を上げたマイケルソン・モーリーの実験が1887年(明治20年)。この時、日本で、どれほど報道されたのかは、知らない。1879年生まれのアインシュタインは、それぞれ2歳と8歳だけど、ドイツで報道されていれば、知ったかも。あくまでも憶測だけど。

これが、1922年(大正11年)に、アインシュタインが日本に来る時は、相対論なんて誰も判らなかったのに、船旅の途中でノーベル賞受賞の知らせがあったこともあり、大騒ぎになり、マスコミが連日取り上げたと言う。この大騒ぎに乗じて(乗じたのかどうかも憶測だけど)、当時、中学生だった湯川秀樹と朝永振一郎が共に見に行ったと言う逸話があり、これが後の二人のノーベル賞につながることは間違いないだろう。
この大正末から昭和初期にかけては、少年科学雑誌が多数発行されている。糸川英夫(1912年生まれ)や南部陽一郎(1921年生まれ)が、これら少年科学雑誌の影響を受けていることは想像に難くない。忘れ去られているかもしれないが、実は大正末から昭和初期にかけては、日本は豊かで平和な時代だったんだよ。
しかし、多数発行されていた少年科学雑誌も戦争の影響を受け、次々に廃刊され、現在残っているのは「子供の科学(1923年創刊)」だけである。

今回の「超光速」騒ぎで、意外なほど、純粋な科学に対する一般の興味が高いことが判った。
また、こう言った事を取り上げたマスコミを嬉しく思う一方、一過性のものに終わらせずに、引き続き科学への興味を持ってもらいたいものだと思う。

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宇宙の終焉

E243「インフレーション宇宙論」(佐藤勝彦著)と「宇宙は何でできているのか」 (村山斉著)と続けて読んだ。
宇宙論関係の話は日進月歩で進んでいるので、凄いなあと思いつつ、直感的に納得できない点が一つ・・・

最近の理論では、宇宙は約137億年前に始まったそうだ。そして、将来は永遠に続くらしい。
永遠に続くとは言え、事実上、物質もブラックホールも陽子も崩壊したり蒸発したりで、電子と陽電子だけが薄く薄く存在する10の100乗年で、それ以降何も起きなくなって宇宙が終焉するそうだ。

となると、私達は、宇宙の始まった物凄く最初の期間に生まれ合わせたことになる。
電子と陽電子だけになる10の100乗年はともかく、陽子の寿命である10の33乗年と比べてさえ、1000億分の1のさらに1000億分の1以下と言う奇跡的な時期だ。
このような極めて最初の時期に生まれ合わせるとは、信じ難い。宝くじなんて比べ物にならないくらい低い確率だ。

「もっと後の時期になると星や物質の活動が少なくなって、知的生命体が生まれなくなるから、今のような活発な時期に生まれ合わせて当然だ」と言う意見も聞こえてきそうだが、そういう「人間原理」的な考え方は、ご都合主義みたいで嫌いだな。一応、譲歩して、陽子の寿命の範囲だとしても1000億分の1のさらに1000億分の1以下なんだぜ。物質があり、それが相互作用さえすれば、知的生命体が生まれる可能性はゼロじゃないと思うし、時間はたっぷりある。

だから、どうも「宇宙は約137億年前に始まり、永遠に続く」というのはしっくりこない。
私が思うに可能性は、3つあって、以下の通りだ。

(1) 現在の理論通り
この場合、1000億分の1のさらに1000億分の1以下と言う低い確率を信じなければならない。
むしろ、この(1)の信用度は、1000億分の1のさらに1000億分の1以下だって思っちゃう。

(2) 理論が間違っている。
要は、「宇宙は約137億年前に始まる」のと「宇宙は永遠に続く」の どちらかが間違っているか、両方共間違っているってこと。
どうやら、「宇宙は永遠に続く」よりも「宇宙は約137億年前に始まる」の方が確からしい。
「宇宙は約137億年前に始まる」だけがあっているとすると、95%の確率で、宇宙は、最短3億5千万年で終わり、最長5300億年で終わる。

実は、これ、イラストで書いたように、昔、ベルリンの壁の崩壊を予告したリチャードの考え方をパクった。
リチャードは、1969年にベルリンの壁を見た時、最長24年で崩壊すると予測した。当時、東西冷戦の象徴であるベルリンの壁は永遠に続くと思われており、到底24年で崩壊するとは信じられなかった。しかし、実際には、それから、20年で崩壊した。

同じ方法で計算すると、宇宙の余命は最短3億5千万年で、最長5300億年となる。
逆に「宇宙は約137億年前に始まる」ではなく、もっと昔から宇宙は存在していたかも知れないし、永遠の過去から存在していた・・つまり定常宇宙論かも知れない。

どれか特定することはできないけど、理論が間違っているとすると、こういうことになる。

(3) 現在の理論通りだが、我々は、宇宙開始137億年より ずっと後の時代にいる
これは、もっともSFチックな話。
我々は、宇宙開始137億年に生きていると信じているけど、実はもっと後の時代に居る。電脳世界のようなシミュレーション世界で、宇宙開始137億年の時代を再現している。
そして、あまりにもシミュレーションが良くできているので、現実だか仮想世界だか区別がつかなくなっている。
多分、この宇宙開始137億年時代って、人気が高いんだろうなあ。
日本だったら戦国時代、中国だったら三国志の時代が、小説にしてもテレビ・映画でも繰り返し繰り返し作品が作られているでしょ。織田信長本人の人生よりも小説や役者の方がずっと長く存在している。
同じように超未来のシミュレーション世界でも宇宙開始137億年の時代を繰り返し再現しているんじゃないかな?

とまあ、アホなことを書いてきた。
SF好きとしては、(3)であって欲しい気もするが、実際一番ありそうなのは、(2)のような気がする。
まあ、ビックバン宇宙論だって、できたのは私が生まれた後だし、宇宙が永遠に続くという理論に至っては、ここ十年くらいの理論だから、これが変わる可能性が最も高いな。

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