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December 30, 2010

ヌードを買った(ヌードと言ってもインナーイヤー型ヘッドホンだけど)

E228論文も一段落し(と言っても終わったわけではない)、ボーナスも出たので、ヘッドホンを買った。
元々、普段使っているヘッドホンには不満があった。以前、999円のデジタルオーディオプレーヤーで紹介した比較的ましなヘッドホンは、妻の iPod の付属イヤホンが壊れたときに持って行かれて、安物に換えていたからだ。

インナーイヤー型ヘッドホンとして、5000円未満の普及帯で好評な SONY Nude MDR-EX300SL の後継機の MDR-EX310SL だ。普段は MDR-EX300SL より高い値段なのだが、その日は期間限定で安くなっていたので、3980円で買ってしまった。帰宅後、調べるとネット上の MDR-EX310SL の評判って MDR-EX300SL より低いんだねえ。でも、ちゃんと聞き比べて、同じ値段なら MDR-EX300SL より上だと思ったんだが。私の耳って当てにならないのかな? まあ、本人が納得して買ったんだから良いか。

SONY のインナーイヤー型ヘッドホンは、今でも「Nude」と言う名前を使っているようだが、実は、Nude を買うのは初代の Nude 以来30年近くぶりの2回目。大昔は、初代 Nude を カセットケース大の Walkman WM-20 に付けて聞いていたんだよね。それにしても、最初の Nude が出たときは衝撃的だった。今でこそ、インナーイヤー型とかカナル型ヘッドホンで音楽聴くのは当たり前だけど、当時、イヤホン型のヘッドホンで、まともに音楽を聞く音が出せるとは誰も思わなかった。初代 Nude の音の良さは友人の間で話題になり、ほとんど即座に買ってしまった。(ところで、なんで SONY は Nude シリーズを「インナーイヤー型ヘッドホン」と言うのかな? 形状的にカナル型ヘッドホンのような気がするんだが)

今回の MDR-EX310SL も、そこそこ満足。SONY は、昔からドンシャリ傾向なんだけど、MDR-EX310SL は低価格帯のわりには、上手く作ってあると思う。もちろん、販売店で聞き比べた ひとランク上の MDR-EX510SL の方が音は良かったけど、5000円オーバーになるからね。
ちなみに私の耳だと、1万円までのヘッドホンだと音の差が判るけど、正直、1万5千円から上は、音の優劣は判らなかった。このへんが私の限界かな?

で、MDR-EX310SL を千円未満のMP3プレーヤーに付けてみると、意外と良い音がする。(販売店での視聴は、家族に借りた iPod で行なった)
私のMP3プレーヤーには、プアなアンプしか付いていないと思うのだが、そんなプアなアンプでも、そこそこ良い音が出せるとは大したもんだ。

と、ここまでは、良かったんだが、「じゃあ、ちゃんとしたヘッドホンアンプで聴いたら、どんな音がするのか」と欲が出たのが運のつき。

高いヘッドホンアンプを買うのは躊躇ったが、ネット上を調べるとOPAmpヘッドフォンアンプNo.2のようにオペアンプ1つで簡単にヘッドホンアンプが作れるみたいだ。

で、早速作ってみた。この程度の回路なら2時間もあれば作れる。
で、早速試聴。最初、買ったばかりの MDR-EX310SL を壊すのを恐れて、超安物のイヤホンで試すが、既に、この時点で音が良くなっているのが判る。

肝心の MDR-EX310SL を使って、吃驚した。
これほど、音が良くなるとは思わなかった。ヘッドホンアンプを作るのに電解コンデンサーなど安物を使ったんだが。

ただ、気になる。確かに音は良くなっているのだが、その分だけ、返って音のアラが目立つのだ。
音源の千円未満のMP3プレーヤーのせいかもしれない。
そこで、我が家で一番の音源と思えるパソコンの S/PDIF で光ケーブル経由で自作 DAC (自作と言っても、昔秋月でキットとして販売していたもの)で、CD から非圧縮の WAV のまま取り出したファイルを再生してみた。

吃驚した。本当に驚いた。冗談じゃなくて、涙がでそうになった。(曲は絢香の「みんな空の下 Piano ver.」)
良く「透き通った音」とか「パンチの効いた音」とか言うけど、こう言うのを言うんだな。

5000円未満のヘッドホンで、安物の電解コンデンサーを使ったヘッドホンアンプで、ここまで音が良くなるなら、もっと高いヘッドホンで、高性能のコンデンサー使ったら、どうなるんだろう?

問題は、そもそも電車の中などで聴こうとヘッドホンを新調したのに、肝心のMP3プレーヤーじゃ、本当に良い音はしないことだ。自宅に居るときは、さっきの組合せで聞けば良いのだが、それじゃ外に出せない。

MP3の圧縮が悪いのかと、同じ MP3 ファイルを先程のパソコン→光ケーブル→DAC→ヘッドホンアンプの組合せで聴くと、それなりに良い音がする。

つまり、圧縮が悪いんじゃなくて、MP3プレーヤーのデコードとか DAC 以降のアナログ部分が悪いってことだな。
同じ事はノート PC である LOOX U/C30 でも SmartQ5 でも言えて、これらの音源だと持って歩けるけど、感動するほど良い音がするわけじゃない。

結局、良い音で電車の中で聴こうとするなら、Walkman の高級タイプとか、USB接続の高級 DAC とか買うしか無いのか?
オーディオの泥沼に入らないように、ヘッドホン買うのも5000円未満にしておいたのに。

オーディを趣味って、泥沼に入ると、いくらでも時間と金を使うから、困ったものである。


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December 28, 2010

惑星探査軌道を作って、小惑星と最接近する距離を求めよう

E227ちょっと時間が開いてしまったが、小惑星シリーズの締めくくりとして、宇宙機に自由な軌道を設定して、小惑星との最接近距離を求める方法を説明しよう。

惑星間を航行する軌道は、ほとんどが無動力で慣性航行する楕円軌道か双曲線軌道が基本だ。「はやぶさ」のようにイオンエンジンを連続噴射する宇宙機は、むしろ例外的だし、はやぶさだって、旅程の大半は無動力の慣性飛行だ。ボイジャーが木星でスイングバイして軌道を加速した時も、木星近傍は木星を中心とした双曲線軌道で、地球と木星の間や木星と土星の間は太陽を中心とした楕円軌道か双曲線軌道で近似できる。

だから、好きな時点で地球などを出発し、好きな時に木星などの目的地に着く宇宙機の軌道を設計するには、出発時点での出発地点の座標と、到着時点での特着地の座標を調べ、その2点を結ぶ楕円なり双曲線を求めれば良い。

まず、出発地点と到着地点を求めるのだが、これは前回紹介した planet.rb を使えば良い。
ここでは、ボイジャー1号を例にしてみよう。
ボイジャー1号は1977年9月5日に打上げられた。この時の地球の座標:0.962257208885725 -0.300911514759908 -1.50980789430694e-05だ。
木星を通過したのは1979年3月5日だ。木星の座標:-3.21963186439629 4.19705755903192 0.0548123833933462だ。

さて、この2点を楕円で結べば良いのだが、はたと困ってしまう。一般的に言われているように惑星間飛行に「ホーマン軌道」を用いるのなら、出発地点と到着地点は、太陽を挟んで反対側つまり180度離れている必要がある。ところが、ボイジャー1号の場合、出発地点と到着地点は太陽を挟んで約145度離れている。つまりホーマン軌道として、ペリジ(近日点)とアポジ(遠日点)に出発地点と到着地点を配置するわけには行かない。

結局、出発地点と到着地点を通る楕円もしくは双曲線軌道の一部を通れば良いことになる。という訳で太陽を焦点の一つとする楕円もしくは双曲線軌道を描けば良いのだが、実は太陽を焦点の一つとする楕円もしくは双曲線軌道で出発地点と到着地点を通るものは無限にある。

しかし、無限にある楕円もしくは双曲線軌道の中で、1977年9月5日から1979年3月5日の日数である546日間で出発地点から到着地点に至る軌道は、たった一つしかない。この一つの軌道を見つけ出す方法は、18世紀の数学者・天文学者 Lambert (ランバートもしくはランベルトと発音)が彗星の軌道を決定するために発見し、その名前を取って Lambert 法と言われ、今でも使われている。

Lambert 法は発見から200年以上たっているので、色々な書籍で紹介されているが、
コロナ社 「イオンエンジンによる動力航行 (宇宙工学シリーズ)」
荒川義博監修 國中 均; 西山 和孝; 中山 宜典 (著)
で紹介されている計算式・アルゴリズムを参考に Ruby でプログラムした。

それが、lambert.rb で下記のようにコマンドすると、ケプラリアン軌道要素を返す。(コマンド部分は、一行で入力する)
$ ./lambert.rb 1977/9/5 0.962257208885725 -0.300911514759908 -1.50980789430694e-05 1979/3/5 -3.21963186439629 4.19705755903192 0.0548123833933462
546
a:763585605676.989 m = 5.10425453034184 AU
e:0.802476632588186
i:1.03009770256444 deg
Ω:-17.3174870361242 deg
ω:359.914809844918 deg
M:0.00244963340350288 deg
なお、残念ながら、「対象となる軌道は楕円軌道のみ」「1周回未満」「あまり長楕円になると収束しない」「精度はそんなに高くない」という欠点を持つが、概念的な検討には十分だろう。

上記のようなケプラリアン軌道要素を軌道生成にプログラミングしたのが、 asteroidInterval3V1.rb の 44行目から78行目の クラス SpaceCraft である。また、ケプラリアン軌道要素を軌道生成する変換式は、10年以上前から私のホームページ:基礎知識6 電卓で行う軌道解析・制御設計で公開しているので、これも参考にして欲しい。

asteroidInterval3V1.rb を実行すると、53万個の既知の小惑星の内、最もボイジャー1号に近付くのは34万キロだと判る。グラフで表したのが、冒頭の図だ。

続けて、ボイジャー2号の地球から木星間の軌道を反映したのが、asteroidInterval3V2.rb だ。

さて、木星でスイングバイした後、土星に向かうボイジャーの軌道を求めようとしたのだが、残念がなら太陽系脱出速度を超え、双曲線軌道になるので、lambert.rb では軌道を求めることができない。

繰り返しになるが、惑星探査衛星や宇宙船の軌道を設計するときには、
1) 出発と到着の日時と、その時の出発と到着の座標を求める。
2) Lambert 法で、楕円もしくは双曲線軌道を求める。
その後、
3) ロケットで打上げ、地球近傍から双曲線軌道として地球引力圏から脱出、惑星間軌道に繋ぐ
4) 木星なりの目的地付近での双曲線軌道を通り、スイングバイとして通り抜けるか、減速制御で周回軌道に投入する軌道変換を計算する
5) 全体を数値積分にて、シミュレーションを行い、修正し最適化する。
6) 軌道投入や変更時の誤差を考慮し、軌道修正のシーケンスを整える。
と言う手順で、軌道設計を行う。

lambert.rb プログラムの双曲線対応やロケット打上げから地球引力圏脱出、目的地でのスイングバイや減速制御による周回軌道投入の説明は、いずれまた。
(暇ができたら書くけど、いつになるか判らないので・・・・)

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December 26, 2010

絵本「たくさんのふしぎ」

E226絵本雑誌「たくさんのふしぎ」2011年2月号が発売になった。
この雑誌、福音館書店が出版しているもので、一冊丸々ひとつの絵本となっているもので対象年齢は小学校3・4年生という。今回は「月に行きたい」と言うもので、作者は松岡さんという方なのだが、内容の方でお手伝いをさせてもらった。

子供用の絵本に科学考証が必要か疑問だが、編集者の人には、「次は野田さんも書いてくださいね」と言われている。
私が? 絵本を?
まあ、この下手絵で良ければ描いてもも良いけど。(えっ、絵の方は別の画家を付けるって??)

というわけで、大型書店には置いてあるので、良ければ見て欲しい。

ところで、2ヶ月近くブログを休んだり、Twitter にも書き込んで居なかったので、私の安否が気遣われた(?)ようだが、単に、ちょっと論文を書いていて、それに集中していただけなので、ご安心を。
まだ論文書き上がっておらず、ちょっと一段落付いただけで、再び論文に集中するとブログの書き込みが無くなったりするかもしれないけど、心配しないでね。

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