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July 17, 2010

背景がボケるアダプタが欲しい

E217昔、ニコンF3で撮った写真を見ていて、改めて今のデジカメには、背景ボケが無いことを実感した。
一般的に、背景ボケを出すには、受光素子が大きい事が必須と言われている。だから、フル35ミリ規格のCCDやCMOSを持つ EOS 5D や D700、いっそ 1Ds MK3 や D3X に大口径レンズを付けるのがベストって言うことになるのだが、そんな高いカメラを買っても重くて使わないだろう。第一、1000万~2000万画素を超える高画質が私に必要とは思えない。

デジカメで撮った写真は、多くの場合、パソコン画面やフォトフレームで観るか、ブログに張り付けるかで、昔のようにプリントすることはほとんど無い。パソコン画面やフォトフレームの場合、フルスペックHD画質でも200万画素だし、プリントだって、サービス判程度なら、200万画素もあれば十分だろう。ブログに至っては35万画素だ。

実は、背景ボケを出すには、受光素子が大きい事が必須ではない。必須なのはレンズの口径だ。同じ焦点距離(正確には35ミリ換算の焦点距離)、同じF値 のレンズの場合、受光素子が大きいほど、レンズ口径が大きくなるので、そう言った誤解(?)が生まれるのであろう。

背景ボケとレンズ口径の関係については、これとかこれ(firefoxのみ)に書いておいてある。

だから、背景ボケを出したいだけなら、無理に受光素子を大きくする必要はない。焦点距離 18mm F0.3 なんてレンズがあれば良いのだ。むちゃくちゃな数値だが、「回折限界を狙うような解像度重視ではない」「イメージサークルが小さい」「明るい必要はない」など、今までのレンズと要求が違うので、不可能ではないだろう。

むしろ、イラストの様に「1倍コンバータ」なるものをコンデジに付ける方がいいかも。
こう言った商品が売られているかと、ネット上を探したが無かった。
誰か、画質は問わないから、「1倍コンバータ」を作ってくれないかなあ・・・

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July 04, 2010

SmartQ5 で青空文庫を読む

E216しばらく、宇宙ネタが続いたが、久しぶりに SmartQ5 のネタを。

SmartQ5 (Ubuntu FW5.5) を使って、電車の中などで、青空文庫を読む話だ。
もちろん、青空文庫は、著作権の切れた(一部著作権の残った作品もあり)文学作品をフリーで公開しているものだ。

元ネタは、何百冊もの文庫本を「NetWalker」で持ち歩き読書欲を満足させる方法~XJP2編~だ。XJP2を SmartQ5 用にコンパイルしても、なかなか、上手くいかなかったのだが、やっと満足できるようになったので、リリース。

XJP2のVer.2.9.1のソースコードを、x86上のARMエミュレータでコンパイルしたもの。
このARMエミュレータ自体が、NetWalker用の開発環境なので、NetWalkerでも動くかも知れない。動いた場合はご連絡を。

xjp_smartq5.tgzに、コンパイル済みのバイナリが入っている。インストや設定は、同梱している README.TXT を参照の事。


ライセンスは、元々の XJP2 と同じく、 zlib/libpng License とする。

楽しく役に立つプログラムを提供してくれている XJP2 に感謝。

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July 03, 2010

月のような推進システム

E215一昨日のブログで、月の動きを模倣する推進システムなんて書いたものだから、「とんでも系」じゃないかと誤解さてるかも知れない。

一応、ちゃんとした論文を紹介しておくと
「Pumping a tethered configuration to boost its orbit around an oblate planet」
Breakwell, J. V.; Gearhart, J. W. 著
NASA, AIAA, and PSN, International Conference on Tethers in Space, Arlington, VA, Sept. 17-19, 1986, Paper. 23 p.
である。残念ながら、ネット上でフルペーパーは見つからなかった。

アブストだけなら ここ から読める。

私が書いた方は、このPDFだ。電子データが残っておらず、紙からのスキャンで失礼。
私の論文は、関連論文のサーベイしているときに、上記のBreakwellの論文を見つけたから、途中で止めて、未発表のものだ。「重力場推進」などとエキセントリックな書き方をしているのは、若気の至りと言う事で許してもらおう。

論文読めば、判ると思うが、回転するテザーで推進力を得ようとするもの。意外と簡単な仕組みでしょ。

私の場合、テザーを研究していたわけではなくて、月の動きを模倣しようと、可能な限りシステムを簡略したらテザーになってしまった。
宇宙機の推進方法は、ロケットやイオンエンジンのようにリアクション質量を内蔵しているのが普通で、例外的にソーラーセイルやスイングバイがある程度だ。単一の天体を相手に、重力だけで推進するのは野心的な試みだったと思う。

物理的にちゃんと成立するし、技術的にも実現可能だろう。そう言う意味では「とんでも」ではない。

なぜ、これの実現を諦めたかと言うと、一つには先を越されたこともあるが、それ以上にコスト的に割が合わないからだ。
600kmの高度を飛ぶ人工衛星は、一日に約6.5メートル高度が落ちる(一般的なピギーバック衛星の一辺50センチの立方体で、質量50kgとして計算)。そのため、何も制御しないと、約28年で墜落する。
これに「月のような推進システム」を使えば、14キロの長さのテザーを付けて回転させると、半永久的に墜落しないシステムが作れる。もちろん、エネルギーは太陽電池だけですむ。

開発コストは、ロケットを除いて 20億程度で実現可能だろう。長さ 14キロのテザーが、ちょっと難しそうだけど。
でも、化学推進を使えば、ヒドラジンスラスタなんて量産されているから、1個1千万円以下で手に入る。タンクやバルブを含めても1億円程度かな。

とてもじゃないけど、信頼性やコストの点で化学推進にかないそうも無いので、諦めたと言うわけ。

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July 01, 2010

自分の頭で考えたアイデアを言おう

E214若者が、自分の頭で考えたアイデアを人前で言うのは大変なんだろうなあ。実は若者に限らないけど。
間違えなく「何の役に立つのか」「本当に可能なのか」とか言われる事を恐れるだろう、それ以前に「笑われるんじゃないか」と思ってしまうだろうし。

本当のところ「アイデア」を思い付くのが先で、「実現可能性」の検討が二番目、三番目に「何の役に立つ」かが来る。二番目と三番目の順番が逆になることもあるが、「アイデア」だけの段階があるのは間違いない。

だから、最初は「アイデア」だけで、「実現可能性」も「役に立つ」も無い段階で人に話すことになる。これを自分一人の胸の内にしまっていると消えてしまう事が多すぎる。人に話して初めてアイデアが固まり、実現化への道を進み始める事が多い。だから、自分の頭で考えたアイデアを人前で言うのは本当に必要なんだ。

「アイデア」を聞く側の姿勢も大事。話を受け取る方としては、「笑う」なんて論外で、親身になって一緒に考える姿勢が必要なんだろう。実際、実現可能で役に立つアイデアなんて2割程度。だから、8割無駄になっても構わないから、残りを救う覚悟でやらんといかん。

そう言う過程を踏まないで、「自分のアイデアは正しい」と言い続けられるのは余程の変人か自信過剰な人間だけだ。

正直、私自身も若い(20代の)ころは「自分がアイデアを考え出せる人間」だと思っていなかった。自信が持てるようになったのは、最初に自分の頭で考えたアイデアが、曲がりなりにも実現可能性を示せた時だ。

私の場合、アイデアが思い付いてから、実現可能性を示せるまで10年近くかかった。
アイデアの発端は月。よく知られているけど、月は年数センチずつ地球から離れている。つまり高度上昇の軌道制御と同じ。自然ができるんなら、人間ができないわけが無い。月が高度を上げることができるなら、同じ原理で人工の宇宙船とか衛星だってできるだろうって単純に考えた。

月の高度上昇は知っていても、その原理を知っている人は少ないだろう。高度上昇することは位置エネルギーが増えるはずだが、そのエネルギーは何処から来るの? 運動量は?

まあ、そう言った問題疑問を一つ一つ片付けていって、それを人工的に模倣するシステムを構築していったわけ。もちろん、本当に作ったのではなく、理論的に組み立てただけだけど。
10年近くかかって、満足できるシステム構想が構築できたので、論文にまとめ始めた。しかし、人のマネではない理論を、人に説明するのは難しい。全て自分の言葉で説明しなきゃいけないからね。それまでの論文が如何に他人が作り上げた構想・構築を真似しているだけだって、良く判った。
その頃、周りの人は、私の事を半分おかしくなったんじゃないかと思い始めたらしい。なんたって月の動きを模倣する推進システムだからね。ところが、幸か不幸か海外で全く同じ主旨の論文が見つかった。それも、凄く権威のある人の論文だ。僅か数年前に出たもの。少なくとも私がおかしくなったのではないことだけは、当時の上司に認めてもらえて、それまで居た製造(?)部門から、今居る研究部門に配置替えになったわけ。

私自身は先を越されて悔しかったが、それでも自分のアイデアと、それを実現するためのシステム構築の考え方が正しいと判り、自信を得た。「月の様な推進システム」の実現は諦めたけど、その後、新しく野心的なアイデアを実現する事に挑戦し続けている。

まあ、これ以上、私の成功体験を語っても、本題から外れるだけだ。

要は、自分の頭で考えたアイデアを人に言うには自信がなきゃいけない。自信を得るためには成功体験が必要だ。成功するためには、人前で話すことが必須・・に近い。
これじゃ、ニワトリとタマゴじゃないけど、堂々巡りだ。

せめて、人に話すところから始めようか。
まねではなく、本当に自分の頭から出たアイデアを話そう。
他の人のアイデアじゃなく、自分の頭から出たアイデアなら、少なくとも私は、笑わないから。

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