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April 26, 2010

宇宙で、好き勝手な事をやろう

E207こんなことを考えてみた。
綾波レイのリボルテックとか言うのだっけ(リボルテックって商標か?)、とにかくポーズの好きに変えることのできるフィギュアを小さな人工衛星に入れて、宇宙に打ち上げる。地球をまわる軌道上で、人工衛星の中からフィギュアを外に出す。そのままだと、フィギュアは人工衛星から、どんどん離れていくが、フィギュアの中に磁石を入れておけば、本体衛星に付けた電磁石を使って、本体衛星から一定の距離をあけて、漂わせることが可能だ。

人工衛星の電磁石とフィギュアの中に入れた磁石に働く力を余り大きくすることはできないけど、距離が近ければ、それなりに力が働くし、重力も空気抵抗もない宇宙なので、小さな力でも制御が可能だ。もちろん、あまり急な動きはできないけど。

フィギュアの中に入れた磁石を永久磁石じゃなくて、電磁石にしておき、フィギュアの関節を緩めておいて、胴と首、腕と足とかで別々に制御すれば、ポーズを自由に変えることもできるんじゃないかなあ? まだ、本気で解析はしていないけど。フィギュア側の電磁石を駆動するのに、電力が要る。普通に太陽電池を付ける方法もあるし、時々、本体衛星に帰って充電するのもあるけど、本体衛星からの磁力の変化を使って、電力伝達もできないかなあ、Suica 式に。まあ、効率は悪そうだけど。

で、宇宙空間で、自由なポーズを付けたフィギュアを地球や月、惑星や天の川、その他宇宙の星々を背景に衛星側に付けたカメラで写真を撮る訳。
もちろん、スチール写真だけじゃなくて、動画でも良い。地球の影の部分から、太陽にあたるところに出るところなんて、いかにも楽しそうだ。最初は真っ暗。背景に地球の都市の光しかない。「日の出」が近付いてくると、朝焼け・夕焼けと同じで、白いプラグスーツが赤い光で照らされてる。やがて、「日の出」になると陽があたった場所は白く輝く。その一方で影は漆黒。だけど、影の中でも地球向きの部分は青い。太陽の光が大気の散乱した青い空の色だ。やがて、地球の雲や陸地、海で直接反射する光の方が強くなり、影の青色が薄くなっていく・・・と言うわけ。

人工衛星やフィギュアがデブリ(宇宙のゴミ)になりそうな気もするが、高度を低くしておけば、空気抵抗で数年以内に落下するので、デブリの問題も無い。その代わり使える期間も短くなる。まあ、1年間くらいが妥当なところか?

低い高度で地球を回る軌道は、一周約100分。その内、約60分が陽にあたる。ゆっくりとポーズを変えるとして、1周10枚写真を撮るとする。一日、約15回、150枚の写真。一年間で約5000周、5万枚の写真が撮れる。

ポーズはMMDのようなソフトで自由に作り、それをインターネット経由で衛星にアップロードする。そして、そのポーズの写真を撮る訳。もちろん、動きを付けても、動画を撮るのもOK。

これって、商売にならないかな?
写真 1枚が千円なら一年間で5千万円、一枚1万円なら年間5億円。もちろん全て売れての話だが。この間くらいで、商売が成立しそうな気がする。ちなみに動画は、写真の10倍の時間がかかるなら、10倍の料金を払うことにすればトータルは同じになる。

この程度の衛星なら、小さく作って品質・信頼性をうるさく言わなければ、1億円も要らないだろう。技術的な問題はない。

問題は、こう言う衛星を打ち上げる仕組みが全く無いってこと。宇宙開発って、国が税金でやっているので、国民生活のためのとか、科学とか教育のためとか、そう言った固いことを言わないと打ち上げてくれない。ロケットの相場って、打ち上げする衛星1キログラムあたり1万ドル~2万ドルなんで、今回の衛星を20キログラムで作れば、2000~4000万円が妥当な金額だ。ところが、相応分のコストを払うからと言っても打ち上げる仕組みが無い。ロケットには、1トンとか2トンの大型衛星ばかり相手にして、小型衛星に対して「小売り」するつもりは無い。大型衛星と相乗り打ち上げって言う方法もありそうなもんだが、今のところ日本での相乗り打ち上げは、教育目的とか科学技術の発展とか、そう言う高尚な建前が無いと受け付けてさえくれない。門前払いだ。どう考えたって、プラグスーツの綾波レイにポーズを付けて写真を撮るのが高尚な建前とは言えないもんなあ。

とは言え、これだって十分面白いと思うし、商売として成立するなら、やる価値はあると思うんだ。
そうやって、高尚で無いような使い方をして、はじめて宇宙が一般の人々に普及するよね。

そういや、すっかりコスト積み上げの時に大事なものを忘れていた。
綾波レイの一年間のロイヤリティって、一体いくらなんだろう?
衛星やロケットは専門だから、大体見当が付くんだが、綾波レイの方は全く判らん。
下手すりゃ、衛星よりも、ロケットの打ち上げ費用よりも高くつくかもしれない。

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April 17, 2010

小惑星へ行く有人宇宙船

オバマ米大統領が「2030年代には火星軌道に、2025年には小惑星へ有人探査」と発表した。
E206左の図(クリックすると画像が拡大)は、私が、3年前の2007年に「有人小惑星探査の研究を基礎的で良いからやらしてくれ」と、某組織の理事長に提案したところ、時期尚早と断られた時に作ったもの。オバマ大統領の言っているものではないので、注意!
3ヶ月で、小惑星に往復する有人宇宙船だ。軌道上で、1500トンになる巨大なもので、総コスト1兆4千億円!
なお、名称だが、
・地球離脱ブースター:「あほうどり」
・小惑星での減速離脱機械船:「あじさし」
・居住区:「かけす」or「とき」
・帰還カプセル:「かわせみ」or「きじ」
・小惑星探査有人ロボット:「こげら」or「ふくろう」or「このはずく」
・地球周回軌道上での組み上げ場所:「こうのとり」
と全て、鳥の名前で考えている。

その後、NASAで有人小惑星探査を検討している人が”SF大会”に出るために来日した時に、川口先生などと集まって、情報交流した。そのとき、プレゼして川口先生に「クレージーだ」と言われた。
同じ時、NASAの人(Pete Worden だと思うんだけど、記憶が定かでない。夫人がSF作家の人で、2007年のSF大会・ワールドコンに出たNASA or JPL の人、覚えている人が居たら教えて)のプレゼでは、「地球近傍を通り過ぎる小惑星を選べば、もっと簡単に小惑星に行ける」と言う計画だった。

やられたなあと思いつつ、それで良いのかなあと当時思った。
「地球近傍を通り過ぎる小惑星」とは、月軌道の内側を通過するような小惑星で、何十年に一個しかない。こう言う小惑星を選べば、地球から最大350万キロしか離れないで済む。月の10倍程度だ。
私の計画の場合、そんなに地球に近づかない小惑星を相手にするので、数千万キロの大旅行になる。ちなみに火星が最も地球に近付いた時、約8千万キロの距離がある。
地球から350万キロの場所が、深宇宙じゃないとは言わないが、それじゃ、その後の火星とか小惑星帯へのステップにならないんじゃないかなあ?
今回のオバマ大統領の言った小惑星有人探査が、こう言った「地球近傍を通り過ぎる小惑星」とは限らないけど、どうなんだろう?

しかし、当時、有人小惑星探査は誰にも相手にされていなかった。
私たちも正式に研究を認めてもらえなかったので、個人的&自腹持ち出しで検討するしかなかったし、NASA or JPL の人も上層部に認めてもらえず、SF大会に出席するために来日したついでに我々と会っていた。
それが、オバマ大統領が「小惑星有人探査」を口にするとは、進歩したもんだ。
私たちも負けていられないなあ。

3年前に時期尚早と言われた後、言い返せなかったのは、「その後どうするか」と言う問いに答えられなかったから。
次の年のブログの【人類は宇宙へ飛び出そう まずは小惑星から】や、さらに次の年の宇宙暮らしのススメも、「その後どうするか」の問いに答えるためのものだ。

人類が宇宙に銀河に広がる。その第一歩として、小惑星帯に広がるために。

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April 09, 2010

連載

E205私の書いた記事が、明日(4月10日)発売のトランジスタ技術2010年5月号から、連載される。連載は、見開きの2ページで「宇宙のエレクトロニクス」と言うもの。ちゃんと、職場の兼務許可を取ってあるので、記事中には正式な所属組織まで書いてある。(しまった、このブログのURL書くの忘れてた)
トラ技の増刊とかには書いたことがあるのだが、トラ技の本誌に記事を書くのは実は初めて。今までは、CQ出版社では、インターフェース誌が多かった。と言っても、いずれも単発。
連載は、30年近く前に子供の科学に16ヶ月の連載をしていらいだ。今回は、12ヶ月は続けるつもり。

一応、宇宙で使う電子機器を作るときのコツみたいなものを、エッセー風に書くつもり。拙作:宇宙暮らしのススメの前半部分のような内容だと思ってくれれば良いのだが、トラ技読者が相手なので、エレクトロニクス寄りにして、もっと深く掘り下げたつもり。で、5月号は空気の無い宇宙での冷却の仕方を中心に書いている。空冷ファンなんて使えないからね。
とは言え、今まさに6月号のゲラ・チェックの段階なんだが、6月号では早くも脱線して、与太話になってしまった。あぁ。
7月号は、ちゃんと戻して、宇宙での放射線対策の話にしようと思うのだが、まだ原稿を書いていないので、予定は未定。気が向いたら違う話になってしまうかも。

と言う訳で、トランジスタ技術2010年5月号ともども宇宙暮らしのススメもよろしく!

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