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November 29, 2009

Grape-DR

E187先日、三鷹の国立天文台に行った時、昼食を食べていたら、偶然、牧野さんに会った。
チャンスなので、現在、開発中の Grape-DR を見せて欲しいと頼んだところ、快く見せてくださった。最近、「仕分け」での次世代スパコンの凍結とか、色々と忙しいところを見せていただいて、大変有り難い。

Grape-DR が、スパコンなのかは意見が分かれるところだと思うが、要は超小型の計算機を思い切りたくさんネットワークで結んだものだと思えば良いだろう。一つ一つの計算能力は小さくても、それらが合わさると強力になると言うアレ。だから、凍結された次世代スパコンよりも、ずっと低コスト。

で、Grape-DR を見せてもらったのだが、部屋中に、レストランなどで使う食器棚用のステンレスラックが並び、その上に、基盤丸出しの状態で沢山のコンピュータが置いてあり、それらが高速ネットワークで接続されていた。
以前見せてもらった Grape-6 と同じで、相変わらずのガラクタ状態。知らない人が見たら、絶対世界有数の性能を誇るコンピュータだとは思わないだろう。
まだ、100%の性能ではないかもしれないが、久々に見た Grape は、ちゃんと動いていた。ちょっと安心。

ステンレスラックに乗っているコンピュータ一つ一つは、秋葉原で普通に売っている i7 マザーボードだ。ただし、拡張スロットに Grape-DR ボードが刺さっている。このボード上には、4つの Grape-DR チップが乗っていて、それぞれのチップには、512 個の計算機が入っている。つまり、一枚の Grape-DR ボードには、2048個の計算機が入っている事になる。これを付けたコンピュータが大量に超高速ネットワーク(イーサネットではない)で接続されている。部屋中にあるコンピュータの中にある計算機の個数の合計が、一体いくつなのか・・・私には判らないけど、相当な数だろう。

さて、 Grape-DR ボードが、グラフィックカードの GPU に似ているなあと思ったら、正解。ただし、ハイエンドの Geforce GTX 295 でも、480個の計算機しか持っていないから、Grape-DR ボードの方が遥に数が多い。
だから、グラフィックボード付けたコンピュータを集めて、ギガイーサネットワークで結んだら、それなりに高速計算できる・・・って書こうとしてたら、実際に、長崎大で、それをやったってニュースが流れているね。

むしろ、思うのは、そう言う本当に色々と挑戦している人たちの研究室って、ごちゃごちゃとしていて当然なんだけど、一般的には「高性能なコンピュータは大きくて綺麗で整理されている」って思われているのかもしれない。
そう誤解される程度なら良いんだけど、逆に「大きくて綺麗で整理されているコンピュータでないなら、高性能ではない」なんて思われているかもしれないところが怖い。
まあ、他人ごとではなくて、私の業種でも、人◯衛◯を作るのに、防◯服やク◯ーン◯ームが不可欠なんて思われているかも知れないけど・・・・・ははは。

科学者って、白衣着ていると言うイメージが先行しているけど、実際に研究している人は作業着だよ。
で、ジーンズは元々作業着だから、意外とジーンズはいている人が多いんだ、本当。

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Comments

 こんばんは。
 スパコンを仕分けする際のやり取りを見ていると、本当に必要性を理解した上(あるいは理解する努力や姿勢を持って)で、必要性を判定しているのか疑わしいですね。
 担当者が説明を始めると、某元グラドルがすぐ「わかりません」とヒステリックに叫んで、身振り手振りで説明を止めようとしていて、こりゃ結論有きなんだろうなぁと感じました。
 コンピュータを使った数値計算が、研究開発で大きな成果を生み出していること、日進月歩で世界のコンピュータ能力が向上していることを考えたら、時代に合わせた強力な計算能力を追求することは必要だと思います。
 もっと意外だったのは、松井孝典先生が「スパコンに意味なし」というようなコメントをされていたことでした。
 「天下りと研究を仕分け」してほしいと意見されていた方もいらっしゃいましたが、まったく同感です。
 悪いのは、ごく一部の公務員なんだけど、十把一絡げにされて批判されるので、嫌ですね。

 ところで、Grapeですが、まだ研究が続けられていたんですね。
 タイトルが「20万円でスーパーコンピュータを作る」だったと思いますが、ブルーバックスで研究内容を紹介されていたのを覚えています。
 天体物利用の専用プロセッサで、化学のようなまったく違う分野の研究も計算できると書かれていて、論理モデルを作ることの強力さを知りました(大学時代、化学の先生が爆発とインフルエンザの感染は数学的に同じモデルだと言ってたのも印象深いです)。

 ところで、科学・技術振興というと、理系の研究者の育成、研究費増額とか言われますけど、今回の仕分けを見ていると、少なくとも政治学や経済学の社会科学分野にも力を入れる必要がありますね。
 なんか「その研究の影響範囲」をわからないまま判断するのはまずいと思います。
 本当は科学史・技術史を義務教育で、きちんと取り上げたほうがいいと思うのですけど。
 では、失礼します。


  
 

Posted by: Technobose | November 29, 2009 at 11:13 PM

こんばんは。
サテライトを作業服で作れるということは、工場はクリーン度1千から1万でよさそうです。
素人考えですが、スーパーコンピュータは製造による波及効果を評価しないと、Grape-DR や長崎大のを量産した方が役に立つと思います。
長崎大のでも年間予算で1千台は作れますから、スーパーコンピュータ開発が終わるまでに、日本一クラスが数千台稼動。研究者が待たずに使えると思うのです。

Posted by: bbsawa | December 01, 2009 at 06:19 PM

Technobose さん、bbsawa さん、どうも。

Grape は、ちゃんと進んでいますよ。
スパコンの仕分け騒ぎも収まりつつありますが、本質的なところと、外観とかイメージとか切り離して考えなきゃいけないところが、基本ですよね。

どうも、箱物とか外観イメージ優先で造って破綻しているのに、元々の科学・技術そのものが否定されているような報道にも困ったものです。
技術なんて、使われてなんぼのもんですからね。

実際、サ◯ラ◯ト作るのに、必要なのはクリーンルームじゃ無くて、クリーンなルームくらいで十分で・・・
さすがに、塵・埃だらけの汚い部屋はダメかも。

Posted by: 野田篤司 | December 05, 2009 at 05:40 PM

私はスパコンを使ってシミュレーションをやったことも有り、スパコンを売った経験もありますが、Grapeはしょせんごく限られたアプリだけの専用スパコンです。
能澤徹氏のブログ漫遊日記に基本的に賛同するものです。

Posted by: | May 24, 2010 at 12:25 AM

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