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September 15, 2008

粘土

私は、一応人工衛星のデザイン=設計が専門だ。
英語で「デザイン」は技術・工業的な設計も意味するのだが、日本では「デザイン」を「姿・形を決める事」つまり「スタイリング」の事だと思っている人が多い。実際、ほとんどの場合、技術・工業的な設計の際に、ある程度は姿・形を決めざるを得ないので、まあ、「スタイリング」の要素があっても良いわけだ。

建築物などでは、どんなに機能的に優れても、客が恰好悪いと思えば売れないので、スタイリングとしてのデザインも重要だ。自動車の場合、客が恰好良いと思うだけじゃなくて、空力的な性能も姿・形で左右されるので、かなりスタイリングの重要性が高い。

ところが、人工衛星の場合、誰も見ていない宇宙で使うので、恰好良いか悪いか関係ない。また、空力も関係ない。だから、今まで、「デザイン」を生業にしていたが、「スタイリング」の勉強はしていなかった。

とは言え、そう言った事に興味が無いわけではない。工業デザインでも、例えば、ニコン F3 のように、カメラのような工業製品に、ジウジアーロがデザインすることもある。この時、粘土を使って形状を作る時があり、クレイ(粘土)モデルと言うらしい。

一度、クレイモデルを作ってみたいと思っていた。だが、普通の油粘土では柔らかすぎて上手くいかないし、手がベタベタする。フィギュアの原型に使うと言うファンド(石粉粘土)も試してみたのだが、これは硬化(乾燥)に時間がかかるし、一度使った粘土が二度と使えないし、余った粘土が乾燥して直ぐに使えなくなるので不経済だ。

そうこうしている内に、古本屋で「モデリングテクニック」(1991年)を見つけて買った。この本にはクレイモデルの作り方が書いてあって、そこを読んで初めて「インダストリアルクレイ」と言う専用粘土があることを知った。(何を今更って言う人も多いでしょうが、ご勘弁を・・・)

渋谷の東急ハンズに売っていると言うので、行ってみると、「new アルテ 65」「new アルテ 57」「セリオ」と言う三種類がインダストリアルクレイと言って置いてあった。アルテ 65 と 57 は、柔らかくなる温度の違いだそうで、摂氏 57 度で柔らかくなるアルテ 57 でも大変そうなので、「new アルテ 57」と常温でも柔らかいと言う「セリオ」を買ってきた(ネットで調べたとき、アルテ 57 は相当前に製造中止と書いてあったけど、東急ハンズに何本かあった・・・)

で、まずはアルテ 57 を試したのだが、これで体温で十分柔らかくなる。逆に「セリオ」は柔らかすぎてだめ。
いっそ、アルテ 65 も買ってくれば良かった。

まあ、とにかくアルテ 57 で、適当に形状を作ってみたのだが、こりゃ楽だ。石粉粘土より、ずっと速い。手もベタベタしないし。もう少し硬い方が良いかもしれない。アルテ 65 買ってくれば良かったなあと再び。まあ、今年は残暑がひどいから、これから寒くなると、ちょうど良いかも。

インダストリアルクレイの場合、いくら良くても、所詮は油粘土だから、石粉粘土と違って永遠に同じ形を保つ分けでは無いので、シリコーンで型を取ったり、レジンで造形しないといけないから、それはそれで手間かも。

まあ、色々試してみるかな(って、そんな暇な時間は、あんまり無いんだが)

今さら、クレイモデルじゃなくって、やはりコンピュータで3次元ソフトだろう・・と思ったら、月刊CAD&CGマガジン2008年10月号で、Google SketchUp の特集をやっていたので、これまた買ってきてしまった。
面白そうなやることは一杯あるのだが、暇な時間が無い(いや、ブログ書いている暇があったら・・・・)

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Comments

 私も先日、散歩の時に寄る書店でGoogle SketchUpの本を目にし、買ってしまいました。私は、軌道の概念図をもっともらしく描きたいと思って。やってみると、球を簡単には描けない。数回の手続きを要します。また、現時点で、楕円を描く方法を見つけていません。軌道概念図を描くには向いていないのかも。

Posted by: utashima | September 15, 2008 at 08:51 PM

欧米では「デザイン」と「スタイル」は、峻別されているようですね。前者は、機能的・工学的な基礎を持つカタチの創造を指すようです。
飛行機の設計は「デザイン」の範疇だと思いますが、イオラス(風神)の審美眼を対象としたスタイル創造という要素もあり、いわゆる美的感覚も必要であるようです。
「性能の良い飛行機は美しい。但しその逆は必ずしも真ではない」と言いますし、佐貫亦男先生の飛行機エッセイはスタイル的デザイン論です。
山名正夫先生の「飛行機設計論」にいたっては、世阿弥の花伝書が引用されています。当時は教鞭をとられていたのですが、同書(養賢堂:昭和43年)の序に
「(航空工学科3年生の)演習に石膏像のデッサンを課したところ、ヴィーナスをブルドッグのように描くものが少なくなかった。(中略。学生の内、高校での図画履修者はほとんどゼロ。絵や物の形には無関心とのこと)・・・創造に最も大切な、物を全体として正しく観る能力、均衡と調和の感覚が欠けてしまうことになる。」
と有るように、昭和40年当時でさえ設計者のタマゴは、造形感覚に欠ける点があったようです。

Posted by: 趣味際人 | September 16, 2008 at 12:43 AM

utashima さん
ネットで検索したところ、意外と早く見つかりました。
まず、円を描いた後、メニューの「ツール」「尺度」で、縦横比を変えて楕円にすることが可能です。
本題ではありませんが、Google SketchUp をダウンロードしようとしたところ、私のWindows XP 上の IE6 では上手くダウンロードページが表示されませんでした。結局、Ubuntu の Firefox でダウンロードした後、XP のパーティションにコピーしました。他の人は、XP の IE6 で上手く行っているのでしょうか?

趣味際人さん、
「性能の良い飛行機は美しい。但しその逆は必ずしも真ではない」は、全くその通りと思います。昨夜放映された鳥人間コンテストでも、良く飛ぶ機体の美しいこと!!
ただ、人間の感性として、逆に「性能の良いものは美しい」と感化されていく傾向もあるように思えます。昔、F104が格好良いと思っていた時代に、F14やF15が出始めたころ、「なんて醜い戦闘機だ」と思っていたのが、そのうちF14やF15の性能を知る内に、それらが格好良いと思うように心境が変化した覚えがあります。
「石膏像のデッサン」じゃないですが、工学系の講義でデッサンの勉強をすることは少ないですね。私の大学では、建築学部だけが、裸婦像のデッサンの授業があったそうです。私は電気工学なので、当然無いのですが、仲間と「覗きに行きたい」と話した覚えがあります。まあ、実際には覗きにはいきませんが、20前のことですから芸術センスより、あっちの欲望が優先ですねえ。

そういや、そろそろ大学の講義をしなきゃならないんですが、石膏像のデッサンでもしようかなあって、『宇宙工学』じゃ関係ないですね、やっぱり。

Posted by: 野田篤司 | September 16, 2008 at 09:12 PM

 楕円の描き方、教えて頂き、有難う御座います。

 私は、IE6をエンジンとしたLunascape4を使っています。Google SketchUpの日本語サイトではダウンロードできず、右上のボックスをEnglishに変えて英語サイトにすると(そこでJapanese版を選択できる)、ダウンロードできました。でも、今同じ事を試みましたが、失敗しました。

Posted by: utashima | September 17, 2008 at 10:29 PM

Google SketchUpのダウンロード、私のWindows XPでもダメでした。
対処方法が
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1413304964
に出ています。

Posted by: SkyAddict | October 08, 2008 at 06:04 PM

SkyAddict さま、情報有難うございます。
しかし、ダウンロードに、こんな面倒な事が必要とは、Google も何をしているのでしょう。SkyAddict さんの教えてくれたリンクの情報から昨年の11月には、問題は顕在化していたと思われます。困ったものですね。

Posted by: 野田篤司 | October 09, 2008 at 09:52 PM

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