メーヴェのようなモノ・・テスト飛行
八谷さんが作っている「メーヴェのようなモノ」の実機のテスト飛行が26日に行われたので見に行った。
「メーヴェのようなモノ」のテスト飛行は既に4月21日に一回目が行われていて、今回は2回目の飛行である。
前回の飛行は、都合が付かず見に行け無かったが、なんとか都合を付け、今回は仕事を休んでも見に行った。前回のテスト飛行の写真を見るとグラスファイバーの胴体や翼前半部が薄青半透明だが、今回は真っ白に塗装してあり、美しく、イラストのように正に「メーヴェのようなモノ」になっていた。
さて、テスト飛行は、芝生のサッカーグラウンドで行われた。直線部は220メートルしかない。離陸前の助走や着陸後の停止のための距離を考えると、実際に飛べるのは100メートル足らずだ。
最終的には、ジェットエンジンを積み自力で離陸するのだが、まだ、ジェットエンジン無しで「グライダー」の状態での滑空試験である。
グランドの端に機体を置き、ゴムを付けて引っ張る。ゴムが延びて張力がかかれば、機体の固定を外して飛び上がる。ゴムパチンコの原理だ。
26日は、晴れ間こそ無かったが、風も無く絶好の試験飛行の天候だった。
私は「吹き流し」を持って、機体の近く、パイロットから見え易い場所に立っている役だった。
パイロットは八谷さん自身である。文字通り身体を張っての試験飛行だ。
最初、何回かは、調子が出ず、少しだけ浮く程度だった。
だんだんと、調子が出て来ると、高度も距離も出てくる。
「メーヴェのようなモノ」については、私も紙飛行機とは言え何回も飛ばし、安定性等の特性も判り、どう飛ぶか、頭の中でシミュレーションできているつもりだった。
だが、実際に目の前で飛ぶのを見るのは、想像するのとまるで違う。
やはり、人が乗って飛んでいるのを目の当りにすると感動だ。
この日は、全部で10回以上行ったが、高度4メートル程、距離90メートル以上は飛んでいた。
場所がもっと広ければ、高度も距離も、もっと飛んでいただろう。
次回以降は、場所を変え、さらに高度や距離を出すテスト飛行を行うそうだ。
その後は、ジェットエンジンを付けての飛行になる。
ジェットエンジンが付けば、日本では、MU-300 以来の民間開発のジェット機になるのだそうだ。
うーーん、八谷さん凄い!!
夜は、ロフトプラスワンで「ロケットまつり」のイベント。
テスト飛行の後片付けを終えた八谷さんも合流して、大いに盛り上がった。
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Comments
素晴らしいですね。危なっかしい飛行機をここまで作り上げた実行力を素直に賞賛いたします。
でも大丈夫かなあ? ピッチ運動は重心移動だけでやるということですが、錘になるパイロットは重心より上にあるんだから負の安定しかない。ノーズダイブに入ったら回復しようがないような気がするんですが……。
地面効果のある状態と高々度飛行は全然違いますから、慎重にテストされるのがいいと思います。中途半端な高度だと、姿勢回復も脱出もできないデッドマン領域だったりしますけど。
Posted by: 野尻抱介 | May 28, 2006 01:39 AM
あ、野尻さんだ。八谷です。はじめまして。「ロケットガール」と「私と月につきあって」を読んでます。この2冊、すごく好きです。
>地面効果のある状態と高々度飛行は全然違いますから、慎重にテストされるのがいいと思います。
お気遣いありがとうございます。今後はS字飛行のテスト予定なのですが、どうしてもある程度の高度が必要になりますので、天気と場所を選んで(場所は北海道の予定ですが)慎重にテストするようにします。
Posted by: 八谷和彦 | May 31, 2006 01:06 PM
八谷さん、こちらははじめてでしたね。ようこそ。
野尻さん、レスが遅れて申し訳ありません。
レスに正確を期すために、実際にメーヴェ(のようなもの)を設計したオリンポス
http://www.ac-olympos.com/
の四戸さんと計10通くらいメールをやり取りしてました。
100パーセント理解できたか、不安がありますが、私が理解した限りでは、以下のようになります。
まず、野尻さんの指摘する「錘になるパイロットは重心より上にあるんだから負の安定」つまり「振り子安定(不安定)」は存在します。
しかし、大方の理解と異なり、一般的なハングライダーは振り子安定には依存していません。
その意味で、メーヴェ(・・のようなもの)は、一般的なハングライダーと比較して、特に不安定性が強いわけではなく、同レベルです。
この「振り子安定(不安定)」とは別に「空力的安定性」の要因があります。「空力的安定性」については、メーヴェ(・・のようなもの)は複雑な上反角/下反角に隠されているものの、大きな後退翼と翼端の逆キャンバーを持ち、十分な空力的安定性を持っていて、振り子不安定をキャンセルしています。
ノーズダイブに入った場合、重心移動では機体モーメントに介入できなくなり、一般的なハングライダーと同様に、普通の操縦操作では、回復不能になります。ただし、ノーズダイブに入っても空力的安定性により回復はします。
メーヴェ(・・のようなもの)の開発にあたり、少なくともスポーツギアとして、実証的に安全が確認されているハンググライダーと”同等”である事を設計の指針としているそうです。
また、高度の低い状態でのテスト飛行は、むしろ危険な事は指摘の通りです。
今後、周回性などを確認するためには、もっと高度を取る必要があり、そのためにもっと広い場所に移して、テスト飛行を続けます。これらのテストをグライダー状態での繰り返し、安全を確認した後、ジェット化する予定だそうです。
Posted by: 野田篤司 | May 31, 2006 08:05 PM
>八谷さん
はじめまして。拙作を読んでいただきありがとうざいます。
北海道といえば美瑛の滑空場で体験飛行したことがあります。ああいう丘陵地の緩斜面でテストするといいかもしれませんね。くれぐれも慎重に。でも私が責任とるわけじゃないので、勝手にやってください(^^)。
パーソナルな飛行器械、私も温めている構想があります。
それは高々度を飛べる人力・電動アシスト機です。現在の人力飛行機は脆弱すぎて高度を取れません。もしサーマルソアリングやリッジソアリングができれば、何時間・何百キロも飛べる、まったく違う乗物になります。
動力は人力で発電して、いったんバッテリーに蓄え、モーターでプロペラをまわす。サーマルで高度が取れたらプロペラを風力発電に使って電力を回生する。人力で充電してもいいし、太陽電池等で補助してもいい。なるべく小型にして、一人で運んで一人で離陸できるものにする。折り畳むと自転車+リヤカー状になって、飛行場まで走っていける。みたいな。
ペースに四戸さんがやっている超小型グライダーを使ったらどうかと、以前つらつら考えたことがあります。
>野田さん
またシミュレーションでもしているのかと思ったらそういうことでしたか。手間かけさせちゃってすみません。
で、解決としては自律安定にまかせるということですね。体重移動によるピッチ操縦が効かなくなってくるのは降下角何度くらいからか、が気になるところです。直感的には30度くらいで鈍ってきそうな気がします。そのとき自然に増速して機首が持ち上がるのを待つしかないのだったら、ちょっと怖いかなあと思いますけど。
これまでにいじった模型無尾翼機の縦安定は、どれも良好でした。ころっと立ち直ります。そんなふうにいけばいいのですが。
メーヴェのようなライプチヒ翼には前から興味があったので、NLP-1の互換モジュールとして作ってみようかと思います。人の仕事にケチをつけた以上、自分でできる実験はしないといけませんよね。
Posted by: 野尻抱介 | June 01, 2006 07:06 AM