ヘタウマな絵の描き方
ブログの絵を良く「ヘタウマな絵が良いですね」と言われる。
「ヘタウマ」と言う言葉が、誉め言葉か、けなした表現か、良く判らないが、もし誉め言葉なら、自分で言うのは可笑しいのだが、とりあえず、よくわからないから自分の絵を「ヘタウマ」と言っておこう。
私のヘタウマな絵は、みな Linux Zaurus で描いている。使っているソフトは、PetitePeinture である。
PetitePeinture は、メモリの許す限りレイヤーが使えるのだが、普段、私は2つのレイヤーを使っている。また、PetitePeinture は、水彩画のように透明な色を重ねて塗る機能がある。
(1)まず、下書きをグレーの鉛筆(PetitePeinture の鉛筆は、不透明のソリッドカラーを示す)で描く。
絵を描く時、実物や写真を見ないようにしている。頭の中のイメージを描くようにした方が、そのものを表すような気がする。
多少プロポーションが変わってもデフォルメされても気にしない。
対象物の印象が絵から伝われば良いと思う。
(この絵の OM-2 も後から気が付いたのだがプロポーションが変だ。本物のボディは対称ではなく、シャッターのある右の方が左より大きい。絵で見ると左側の方が大きいのが正しいのだが、絵は逆に右の方が大きくなっている。でも、絵を見れば OM-2 のイメージが伝わると思い、そのままにしている。)
(2)レイヤーを変えて、黒の鉛筆で輪郭線を描く。あまり複雑にすると良くないようなのでデフォルメしたり省略したりする。この絵の例では、下書きにあったストラップを省略しているのが判ると思う。
輪郭線を描いた後、下書きのレイヤーを消し、代わりに落款(判子)をスキャンした画像をロードする。落款の画像は、あらかじめ右と左に置いた2つのバージョンを用意している。
(3)色を塗り始める。輪郭線とは別のレイヤーに鉛筆を太くした状態で塗る。最初ははみ出しても構わない。
(4)色塗りの続き
(5)はみ出したところを消す。これで「塗り絵」状態の完成。色がベタ塗りのソリッドだから、このままだと平面的だ。
(6)ディテールを書き込む。鉛筆を細くして描く。ディテールは慎重に細かく描かないと質感がでない。
(7)光沢や影を描く。ここでは、筆(PetitePeinture の筆は、水彩画のように重ね塗りのできる透明色)を太くして塗る。
ディテールとは逆に、光沢や影は大胆に塗る。多少、はみ出しても、勢いがあれば良い。
光沢や影を付けると立体感が出る。
(8)背景をちょこちょこと筆で、ごまかして完成。
これで、大体 30分位の作品だ。
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Comments
ブログをいつも拝見しています。Linux Zaurusでのイラストをみて、野田さんが絵を習ったことがあるのかなとおもいました。
もしかして、工学出身者は設計・デザインの修行としてスケッチなどを描かされることもあるのかと思いましたが、私の勘違いですか?
Posted by: nvsnva | April 29, 2006 09:14 AM
nvsnva さん、どうも有難うございます。
私が絵を習ったのは、小学校の図工の時間と中学高校の美術の時間だけです。
また、大学は電気/制御技術専攻でしたが、スケッチなどを習ったことはありません。私の大学の工学部では建築関係以外では、スケッチなどの授業はありませんでした。
ですから、絵については独学です。
とは言え、血はあるのかも知れません。
私の曾祖父は「野田青石」と言う名の画家でした。(実は曾祖父と飛行機の間にも浅からぬ関係があります。)
妹はインテリアデザイナーで、他にも映画監督とかカメラマンとか、意外と血縁者にビジュアル系の芸術家が居ます。代わりに音楽はからっきし駄目です、一族皆。
Posted by: 野田篤司 | April 29, 2006 08:44 PM
はじめまして
高橋新吉著「美術論集すずめ」昭和36年発行 竹葉屋書店
を読んでいて下記の文章に接し、「野田青石」を検索して貴殿の
ブログを知りました。「野田稽造君」という方が祖父に当たられるのでしょうね。ちなみに小生は鉄齊好きのグラフィックデザイナーです。
前略--「鉄齊外史」と署名してある。他に杏雨、青石などの額もかかっていた。青石は、私の八商の同級生の、野田稽造君の父である。杖をついて、よく散歩していた青石を私は知っているが、養神窟と号したその画室を覗いたことも屡々ある。竹田系の南画家で、その作品は、南予一帯に多いが、蓋しその真価は、未だ埋没されていて、広く知られていないが、将来必ず問題になる画家だと私は思っている。--後略
Posted by: 市川義一 | February 12, 2008 10:05 PM
市川様、初めまして。
よろしくお願いします。
稽造は、間違い無く、私の祖父です。
また、祖父が高橋新吉氏と親しくしていたことも聞いております。
青石も稽造も、私が生まれる前に亡くなっており、当然ながら、一度も会ったこともありません。が、その関係で、市川様のような方にコメントは頂くとは、インターネットの威力を感じざるを得ません。やはり、時代なのですねえ。
今後とも、よろしくお願いします。
Posted by: 野田篤司 | February 13, 2008 09:16 PM