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February 19, 2006

オールスチレンペーパー機と新ライトプレーンの飛行報告

引き続いて、オールスチレンペーパー機「ビーグル号」と新ライトプレーン「ダックス号」の報告である。

今朝、起きると風が強い。飛行は諦めて工作を始めた。

e036「ビーグル号」に関しては、滑空時の降下率が悪いのは空転ペラのせいと断定できたので、折りペラの工作をした。
写真が完成した折りペラである。ブレードは、既成のプラスチック製の21センチ径の折りペラ(ダックス号で使っているものと同一規格)のもので、これに開閉機構部をピアノ線で自作した。なぜ、開閉機構部を自作したかと言うと、元々の折りペラは一本棒の胴体のライトプレーン用で、折り畳み時のブレード間の距離が無く、直径24ミリのビーグル号の胴体が収まらないからである。
しかし、ブレードの取り付け穴も空け直したので、これなら無理に既成の折りペラを使わなくても、普通の空転ペラを工作しても良かった気がする。
なお、回転シャフトは位置決めストッパーは付いていないので、必ずしも写真のように水平に止まるとは限らない。まあ、仮に縦位置で止まり着陸時にブレードが衝撃を受けても、軽いスチレンペーパーのビーグル号なので、プラスチック製のブレードが壊れる訳では無いので良しとする。
完成した折りペラだが、重くなることを覚悟していたのだが、実際に計ったら空転ペラと同じ重さだった。

昼飯を食べた後くらいから、風が無くなってきた。
早朝は風が無くても、だんだん風が強くなってくるのが普通だから、今日は正反対だ。

ビーグル号用の折りぺらも完成したし、ダックス号の主翼の修理やゴムの追加も終わっているので、2機とも持って公園に行った。
普段は早朝に飛ばすので、午後に模型飛行機を持って言ったのは初めてだが、公園に人が増えている。ゴムを巻いて飛ばすと、嫌でも家族連れの注目を受ける。中年男が、いい年して飛行機遊びなんで、恥ずかしい。

まずは、オールスチレンペーパー機「ビーグル号」である。
手投げで滑空させると、見違えるように滑空が良くなった。やはり、折りペラの効果は大きい。

次に、軽くゴムを巻いて投げる。どうも上昇が悪い。どうやら、この既成のプラスチック折りペラの共通的傾向なのかも知れない。直径が同じ21センチの空転ペラに比べると、ピッチがきつ過ぎるような回転をする。ビーグル号も少しゴムを増やすべきかもしれない。
とは言え、ちゃんと上昇し滑空し、気持ちよく飛ぶ。滑空性能は以前に比べると格段の差で良くなった。
でも、ダックス号の滑空を見た後では、それより悪い気がする。原因は、ビーグル号の高いパイロンが空気抵抗になっているためだと思われる。パイロンが無くてもロール安定が取れるのは、ダックス号でも証明済みなので、高いパイロンを取り去り、低くて抵抗の少ないパイロンに交換してしまおうかと思い始めた。この場合、野尻さんの忠告を聞いて、テールモーメントを十分に取れる場所に主翼位置を直し、ノーズに重りを付けよう。

次に、新ライトプレーン「ダックス号」だ。
ゴムは、1.5倍にして、7.5グラムにした。(ビーグル号は5グラム)
総重量は、42グラム弱になっている。
量が増えたので、ゴムを巻くと胴体がしなるのが、はっきり判る。恐いくらいだ。

軽く巻いて飛ばす。
ちゃんと飛ぶので、良い気になって、巻く回数を増やしながら、飛ばしていった。
三回めか四回めに、また、木に引っかかってしまった。

どうも、ビーグル号より、ダックス号は木が好きみたいだ。

と、冗談はさておき、本当の理由は、ビーグル号の方は、教科書通りに「右旋回上昇・左旋回降下」ができるからだ。だから、滞空時間のわりに直線距離は飛ばず、同じ場所で旋回する。
これは先週の土曜日、ほとんど無風の状態の内に調整しておいたからである。

それに対し、ダックス号は、まだ調整が済んでいない。調整できていないと言うより、調整している最中に、ちょっとした風に吹かれて木に引っかかってしまうのである。

どうも、ビーグル号にしろ、ダックス号にしろ、教育用としては性能が良くなり過ぎて来たようだ。教育の為には、もう少し「飛ばない」方が、狭い場所で飛ばせて良いかも知れない。

木に引っかかったダックス号を取るために、今日も軟式ボールを何回も投げる事になった。
昨日と違う点は、回りに家族連れが大勢居ることだ。
なかなか、恥ずかしい。

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Comments

 すごい、一気に折りペラ自作まで行きましたか。あとは親子で大宮たんぼかグリーンパークにデビューすれば飛行機少年/中年の完成ですね。子供がいれば、注目を浴びても恥ずかしくないのでは(^^)。
 ゴム動力とQRPとの類似は、その通りだと思います。最小パワーを心がけていれば自然に最大効率に向かい、それは必ず機能美を宿すはずですよね。

Posted by: 野尻抱介 | February 19, 2006 at 09:56 PM

葉の付いている木は、水分の蒸発で温度を下げ、下降気流を発生します。だから、上部では周りの空気を吸い込み、根元ではそれを周囲に吹きだします。
そのため、模型飛行機は一般的に木に吸われやすく、ランダム以上の確率で着木(公園フライヤーの中では、「ちゃくぼく」は広く通用する日本語です)します。

その逆が人間の体で、体温によって上昇気流を発生しますから、地表付近の空気を吸い込み、上に放出します。室内機では明らかに機体が人のほうによってきます。
公園では、それほど顕著ではありませんが、ニアミスが衝突になる可能性はあるようです。

滑空飛行中の空転プロペラと折りたたみプロペラの空気抵抗の差は、一桁以上と考えられます。(ブレードだけを考えた場合、中央部の付属物は除外。この部分は折ペラのほうが複雑で大きくなるから、折ペラのほうが大きいかもしれないが、プロペラ全体に占めるウエイトは小さい)
ちなみに、ピッチ比の小さいプロペラでは、滑空時の空気抵抗は固定した場合と大差ないといわれ、それならばブレード面積分のスポイラーを立てた場合に近くなります。
平板を気流に直角に立てたときのCDは大略 1です。
それに対して、折りたたみプロペラのブレードの抵抗は、摩擦抵抗で近似できます。
模型飛行機の条件(レイノルズ数)の摩擦抵抗は、翼型の最小抗力係数で近似でき、それは0.01~0.02位なのです。(翼面積ベース。摩擦面積は裏表画から2倍になる。ブレードも裏表があるから、翼面積と同じベース)

だから、ブレード単体で比較すれば2桁近い差が出るわけですが、現実は念入りにねじれた折りたたみブレードの抵抗を、平板の摩擦抵抗だけで近似することは、非常に甘い近似です。
つまり、折りたたまれたブレードは複雑な流れを起こし、それが胴体などと干渉するわけですから、現実の抵抗は何倍にも増加する可能性はあります。

他方、空転ペラの場合は、後流の減速を引き起こしますから、その中に入る胴体、尾翼、主翼中央部の抵抗は減ります。要するに自動車のスリップストリーム利用と同じ理屈です。
減速が10%でも、上記の部分(かなり大きい)の抵抗は20%減りますから、無視できません。

上記を総合して、空転プロペラと折ペラの差を算出することになるのですが、空転プロペラがトップレベルの競技機から姿を消したため、その性能などを突き詰めて研究する人がいなくなっています。面白いテーマだとは思っているのですが。

Posted by: 趣味際人 | February 20, 2006 at 01:04 PM

趣味際人さん、
折りペラについて、詳細な説明有り難うございます。
確かに、滑空を見て居るだけで納得するくらい明らかな効果がありますね。
着木についても、有り難うございます。
「何故、模型飛行機は、地面より木に着陸したがるのか?」、それに理論的な説明が付くとは思いませんでした。
仮に法則があるなら「マーフィーの法則」しかないと思って居ました・・

野尻さん、
折りペラを作るところまでは、最初からの「想定内」です。やはり、滑空性能を考えると折りペラは欲しいですから。
野尻さんだって、相当早い時期から、折りペラの自作をして居ましたよね。私の場合、折りペラの自作と言ってもブレードは既製品なんで、インチキですし。

「想定外」は、ビーグル号の高いパイロンを外して低いものに変えようかと考えて居ることと、ジェデルスキー翼です。
ただ、ジェデルスキー翼に関しては、現状でも「への字」にしただけの主翼も意外と滑空性能が良いので、果たしてジェデルスキー翼に変えても目に見えるほどの性能改善になるか判りません。

「想定外」と言えば、既に「これでスパン50センチの模型飛行機か?」と思えるくらい両機とも性能が良くなって来たことです。今の公園では既に狭すぎで、ゴムをフルに巻くには、もっと広い場所が必要ですし、また、デサマを付けないとまずいような状況です。
正直、スチレンペーパーを「への字」にした主翼で、スパン50センチの模型飛行機なら、ろくに飛ばないだろうと思って居たました。
デサマの必要性を感じるようでは、「入門用」としては飛び過ぎかも知れません。飛ばす場所も、かなりの広さが必要ですし。もう少し小さい(1割から2割程度)方が良いのかも知れません。

「親子で、グリーンパークか大宮たんぼデビュー」ですが、息子が忙しくて、なかなか乗ってこないところが、ちょっと寂しいです。

Posted by: 野田篤司 | February 23, 2006 at 08:56 PM

 CFFC掲示板(下記)に簡単なコメタルの作り方が投稿されていました。
http://8515.teacup.com/cffcadmin/bbs
子供向けの飛行機教室でもこのコメタルを使ってうまくいったそうです。

 飛びすぎ対策ですが、折りペラは死守したいなあ、と思います。そうでないと飛行の醍醐味が味わえません。きれいに滑空させたうえで、デサで降ろすのが理想でしょう。簡単で正確なデサがあるといいのですが……

Posted by: 野尻抱介 | February 24, 2006 at 01:39 AM

あの、恥を忍んでお尋ねしますが、ジェデルスキー翼ってどんなものなんでしょう?実機の話ではお目にかかったこともない単語なので。検索してみたら、引っ掛かるのは野田さんと野尻さんのサイトだけで、ジェデルスキー翼そのものの説明が見付かりませんでした。
実機の世界と模型飛行機の世界はまったく違うようですね。レノルズ数からして何桁も違うし。
グライダーなどもジェット機とはまったく違っていて、もう20年位前かハヤカワの編集の人に頼まれて某SF作品の翻訳をチェックした際に、グライダー用語でどう調べても分からないものがありました。

Posted by: ROCKY 江藤 | February 25, 2006 at 12:49 AM

ジェーデルスキー翼
簡単に言えば、厚みを持った前半に、一枚板の後半部が付いた形の翼型です。文末に一例の座標をつけますから、描いてみてください。
用途は、主に模型グライダーで、レイノルズ数が数万(コード100~200mm、速度5m/秒程度)に適しています。
「ジェーデルスキー」はこの形式の翼型をはじめて設計した人の名前のはずです。(たぶんハンガリー人?)
あとからベネデックほか、複数の人が同様の翼型を発表していますが、それらもまとめて「ジェーデルスキー翼」と呼んでいます。
構造は、前半はバルサ厚板の削りだし、後半は硬い正目のバルサ板です。座標には出ていませんが、前半と後半は下側にリブをつけてつなぎます。
特徴は、構造が簡単な割りに性能が良いことですが、バルサ材の材質を厳選しないと重くなります。

翼型座標(%)

X       Y
100.00    0.30
90.00     2.20
80.00     4.20
70.00     5.75
60.00     7.30
50.00     8.60
45.00     9.00
40.00     9.30
30.00     9.30
25.00     9.00
20.00     8.50
15.00     7.70
12.50     7.25
10.00     6.70
7.50      5.80
5.00      4.70
2.50      3.30
0.78      1.95
0.09      1.18
0.00      1.00
0.03      0.66
0.27      0.32
0.63      0.23
1.60      0.23
2.50      0.30
5.00      0.70
7.50      1.18
10.00     1.40
20.00     2.80
30.00     4.30
40.00     5.90
50.00     7.10
60.00     5.80
70.00     4.30
80.00     2.80
90.00     1.50
100.00    0.00     
(翼型Vol.1:長谷川克・植本多寿美:電波実験社より)

Posted by: 趣味際人 | February 26, 2006 at 12:18 AM

昨日/今日とインターネットに接続できない場所へ温泉/スキーに行って参りましたので、返事が遅れて申し訳ありません

>折りペラは死守したいなあ
私も今回、折りペラの効果を知ったので、野尻さんの意見に賛成です。空転ペラにも知らなかった歴史があることは承知しましたが、やはり現在を考えると折りペラですよね。後は、飛行機自体を小さくするか、簡単で確実なデサマですよねえ。

>ジェデルスキー翼
既に、趣味際人さんから説明がありますが、捕捉しておきます。

ジェデルスキー翼は、主に、スパンで50センチから1.5メートルくらいのグライダーかゴム動力のような低速の模型飛行機に使われる翼型です。
同じ模型飛行機でも大型のものや、エンジン付きラジコン機のように高速のものには使われていないようで、この場合は、一般の航空機と同じような翼型が使われます。
逆にライトプレーンのような50センチ未満のゴム動力機や室内機のように更に小型や低速の模型飛行機では、片面翼が使われ、ジェデルスキー翼は使われません。

つまり、使用されるレイノルズ数が極めて限られる翼型です。(私はスパン=翼幅で示しましたが、レイノルズ数ですから、趣味際人さんの言われる通り、本来、コード=翼弦と速度で決められるべきです。)

この範囲であれば、工作が容易で軽く作れる割には高性能な翼になるため、模型飛行機に使われる事が多いです。

一般的には、主翼の前半を厚いバルサ板で作り上半分を丸く削り、これに薄いバルサ板を後半に「への字」型に貼りつけます。上面は滑らかに接続し、下面三角形のリブを付けて補強します。これで、キャンバーの強い翼型と同じような効果を期待します。(実際、このレイノルズ数なら、同じような効果が得られる)

私は、スチレンペーパーで作ってみようと思っています。

日本語表記だと、「ジェデルスキー翼」または「ジェーデルスキー翼」ですが、どちらで検索しても、このブログと野尻さんの掲示板と趣味際人さんのブログしかヒットしませんね。
英語表記だと「Jedelsky Wing」です。これならヒット数が多くなりますので、もっと、詳しい情報も得られると思います。

Posted by: 野田篤司 | February 26, 2006 at 08:53 PM

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