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June 22, 2005

実体顕微鏡でハンダ付け

e015ちょっと前までは、電子工作に使う IC は、 DIP と言う 2.54mm つまり 10 分の 1 インチピッチのピン(足)が、IC 本体の両側にがあるものが主流だった。
だが、一般的な電子製品では、もっと実装密度の高い SOP や QFP のようなパッケージが主流になっている。そのため、最近、秋葉原で売っている部品も QFP が多くなっている。
先日も、秋月で、H8Tiny CPU を買った。値段は一個 750 円とか 800 円と安いのだが、QFP である。今回購入した H8Tiny CPU の場合、本体の四方向に 0.5mm ピッチの 足が 25 本ずつ、合計 100 本のパッケージだ。
流石に 0.5mm ピッチのままだと配線もめんどうなので、DIP ピッチへ変換する基板に半田付けをした。高密度実装するための QFP だが、電子工作には小さすぎるので、変換基板に半田付けわけだが、これでは実装密度は逆に悪くなっている。本当は、最初から、DIP サイズの部品が手に入った方が早いのだが、前述したように一般的な電気製品に使われる部品が、高密度実装用のパッケージが主流になっている現在、否応無く、高密度実装パッケージ用の部品を使わざるを得ない状況になっている。

真空管のころは、半田付けも楽だった。DIP が主流になると、「小さすぎる」と言う人も居たが、私には 2.54mm ピッチの DIP は苦にならなかった。
だが、流石に0.5mm ピッチの QFP の半田付けは厳しい。以前は補助的な道具は一切使わずに、手先の器用さだけで、0.5mm ピッチの半田付けすることを粋がって居た時期もあったが、最近では文明の利器を使うようになった。
イラストのように「実体顕微鏡」を使って、半田付けすると、0.5mm ピッチでも勘に頼らず、半田付けできる。

「実体顕微鏡」と言っても、工業用のモノや医療用のモノは、とても高く、個人が買える値段ではない。私が使って居るのは、ニコンの「ファーブル・ミニ」と言う、自然観察用の倍率20倍の実体顕微鏡だ。これは、野尻さんのホームページに紹介して居たのを見て欲しくなった。息子のプレゼントと言う名目で買って、親が使って居るのだから、困った親父である。
息子は、アウトドアで植物や昆虫を見ては喜んで居る。元々、そういう用途向きに作られて居るだけあって、よく見える。
その実体顕微鏡を借りて半田付けしている。工業用実体顕微鏡の場合、50倍位は欲しいのだが、20倍の「ファーブル・ミニ」でも、0.5mm ピッチの半田付けの助けにはなる。細かい作業ができるので、0.5mm ピッチの足、一本一本にリード線を半田付けできそうだ。

私が半田付けをする時に、ミスをする確率は、千分の1か、それより少ない。真面目に統計を取った訳ではないが、そんな程度だと思う。成功率 99.9%以上と言うと、とても高そうだが、本当のプロは、桁違いに良い。まあ、素人としては、マシな方・・程度だ。
もちろん、これは、DIP での半田付けの場合で、0.5mm ピッチの半田付けだと、ずっと悪くなる。

私の電子工作を見ると、半田付けの成功率と関係して居る。つまり、回路規模を半田付けが千箇所以内にして居るのだ。
私の場合、電子工作の回路は、ほとんど、オリジナルの設計だ。だから、常に設計ミスの可能性がある。
回路を実際に動作させチェックする時に、半田付けミスや設計ミスが、どちらか単独で起きている時は、その発見は難しくはない。だが、半田付けミスと設計ミスが同時に起きていると、発見は、とたんに難しくなる。3つ以上のミスが重なると、発見は絶望的だ。

だから、最初に回路を作る時は、半田付けが千箇所以内にしている。こうすれば、半田付けミスは、一箇所あるか無いかで、二箇所以上の半田付けミスは考慮しなくても良い。
回路規模が大きくて、半田付けが千箇所以内に収まらない場合は、回路を2つ以上に分け、1つずつの半田付けが千箇所以内に抑えるようにする。分けた回路ごとに、実際に動作させチェックした後に組み上げる。

こんな方法は誰に教わった訳ではないが、40 年近い電子工作の経験の中で自然と身に付いた。
このやり方、良く考えてみると、いわゆる「モジュール式」である。「こうやって、モジュール式が生まれたのかなあ」とか、「私以外にも、自己流モジュール式を編み出した人は大勢居るんだろうなあ」とか、思って居る。

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Comments

実体顕微鏡は商売道具(私は解剖学者)で、生きたラットの心臓の血管をいじったり、電子顕微鏡用の標本を切ったり(ダイヤモンドナイフで、厚さ70nmで薄切り)するのに必須です。
 
目に入る像を拡大しているだけで、指先を動かす筋肉やその神経なんかは何も変えていないのに、ピンセットの先端の動きの精度が上がって、驚異的に細かい仕事が出来るようになるって、とても不思議に思いました。運動の制御の精度は、運動神経ではなく、知覚神経の精度に依存しているのだと、あとから思いつきました。

宇宙船の制御の世界もそうなのでしょうか?

実体顕微鏡も、高価な製品は良いですぞ。床から生える堅牢なアームときっちりとした照明装置を組み込んだ手術用の実体顕微鏡なんか、自分の指紋を見ていても美しいです。ハンダ付けに最適では?

道具に実用以上の興味を持ってしまうのが、男性脳の特徴みたい。

Posted by: はかせ | June 24, 2005 at 03:10 PM

はじめまして、MYCOM PC WEBのストリートインタビューからたどり着きました。私も高校生の頃、アマチュア無線用のオスカー7号の軌道計算を、学校のミニコンで行わせていたことを思い出しました。私も今ではシャープのPDA、SL-C700を使用していろいろ遊んでいます。当時はFORTRANにマークカードとラインプリンタ、という時代でしたから、こんな高性能の小型コンピュータが持ち運べるなんて、いい時代になったものだと思います。今は体調を崩して休職中の気楽な身分(?)なので、また軌道計算とかで頭の体操でもしてみようかなぁ。
あと、恥ずかしながら野尻抱介氏の「ロケットガール」や、あさりよしとお氏の「なつのロケット」なども読みました。いつの日か日本でも独自の有人宇宙船が飛ぶ日がやってくるといいですね。

Posted by: hoya109 | June 29, 2005 at 03:29 PM

はかせさん、 hoya109 さん、返事が遅れて申し訳ありません。
私も職場では、『本物』の工業用実体顕微鏡を使っていますが、確かに『本物』は良く見えます。ただ、乗用車が買えるくらい高価なところが困ったものですが。
また、「見えさえすれば、意外と細かい作業ができる」と言う点も合意です。
宇宙の場合、人工衛星では、人間の勘とか器用さに頼らないような運用にするのですが、有人の場合どうするんでしょ?
今度、宇宙飛行士に会ったら聞いておかなければ・・・(笑)

hoya109 さん、私も色々なマイコン・パソコンで遊んだ口です。
ぜひ、日本でも有人飛行をやってみたいものです。

Posted by: 野田篤司 | July 04, 2005 at 06:33 AM

はじめまして。
私は仕事で0.5mm-144pin QFPを半田付けしてますが、最後は顕微鏡検査です。ショートが怖いので。
作業はさすがに1本ずつではめんどいので、流し半田で仕上げてます。この方法だと、半田作業そのものは肉眼で行えるので楽です。

Posted by: プロ? | September 06, 2005 at 07:04 PM

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