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June 30, 2005

ロフトプラスワンで喋る

e0166月25日に、新宿歌舞伎町のロフトプラスワンでイベントがあって喋った。女優の藤谷文子さんとポストペットの八谷和彦さんが一緒。この二人の方が、私より、ずっと大物なので、気が楽だった。

藤谷さんは、色々と映画やマンガの SF 的な道具の事を、絶妙のタイミングで聞いて来る。流石、女優だ。八谷さんは、色々と目茶苦茶なモノを実際に作っては、試しているようで、そのビデオを見せられ、驚いてしまった。
二人の魅力で、あっと言う間に時間が過ぎてしまった。

しかし、私も、こう言うイベントに場慣れしたなあ。緊張感も全く感じなかったし。
ロフトプラスワンで喋るのも4回目(うち一回はネイキッド)だし、特に今回のようなパターンでは、宇宙に興味がある人が集まっているので、客層が SF 大会と似て居て、男が大半、女性がホンの僅かと言う構成で、楽だった。

実は、今までロフトプラスワンで喋った中で、一番緊張したのは、昨年の九月に出た時だ。
この時は、バンド怒髪天のボーカルの増子直純さんと藤谷さんが司会するイベントに、ゲストとして出た時だ。
前もって私が出ることは、一切公表しなかったので、集まった客は「宇宙に興味」とは無関係の人達で、増子さんと藤谷さんが目当てで来ている人達ばかりだ。特に増子さん目当ての客は、当然若い女性で、こう言った人達が、最前列を占めている。
こう言った人達の前で喋るのは、初めてで、話したことが受け入れられるか心配で、とても緊張した。
結局は、意外と受けて、結構面白かった。

「宇宙に関心がある人達」の前で喋るのも良いが、全く「宇宙に関心がない人達」の前で喋るのも緊張感があって面白い。
その内、ロフトプラスワンで、事前には公表せずに、誰かのトークのこっそりゲストとして出られるように、ロフトプラスワンの斉藤さんに頼んでおいた。

もちろん、そう言ったゲストだけでなく、ちゃんと名前を出すようなイベントも続けるつもりだ。
(今回は、珍しく「ブログ」=「日記」的な内容だなあ)

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June 22, 2005

実体顕微鏡でハンダ付け

e015ちょっと前までは、電子工作に使う IC は、 DIP と言う 2.54mm つまり 10 分の 1 インチピッチのピン(足)が、IC 本体の両側にがあるものが主流だった。
だが、一般的な電子製品では、もっと実装密度の高い SOP や QFP のようなパッケージが主流になっている。そのため、最近、秋葉原で売っている部品も QFP が多くなっている。
先日も、秋月で、H8Tiny CPU を買った。値段は一個 750 円とか 800 円と安いのだが、QFP である。今回購入した H8Tiny CPU の場合、本体の四方向に 0.5mm ピッチの 足が 25 本ずつ、合計 100 本のパッケージだ。
流石に 0.5mm ピッチのままだと配線もめんどうなので、DIP ピッチへ変換する基板に半田付けをした。高密度実装するための QFP だが、電子工作には小さすぎるので、変換基板に半田付けわけだが、これでは実装密度は逆に悪くなっている。本当は、最初から、DIP サイズの部品が手に入った方が早いのだが、前述したように一般的な電気製品に使われる部品が、高密度実装用のパッケージが主流になっている現在、否応無く、高密度実装パッケージ用の部品を使わざるを得ない状況になっている。

真空管のころは、半田付けも楽だった。DIP が主流になると、「小さすぎる」と言う人も居たが、私には 2.54mm ピッチの DIP は苦にならなかった。
だが、流石に0.5mm ピッチの QFP の半田付けは厳しい。以前は補助的な道具は一切使わずに、手先の器用さだけで、0.5mm ピッチの半田付けすることを粋がって居た時期もあったが、最近では文明の利器を使うようになった。
イラストのように「実体顕微鏡」を使って、半田付けすると、0.5mm ピッチでも勘に頼らず、半田付けできる。

「実体顕微鏡」と言っても、工業用のモノや医療用のモノは、とても高く、個人が買える値段ではない。私が使って居るのは、ニコンの「ファーブル・ミニ」と言う、自然観察用の倍率20倍の実体顕微鏡だ。これは、野尻さんのホームページに紹介して居たのを見て欲しくなった。息子のプレゼントと言う名目で買って、親が使って居るのだから、困った親父である。
息子は、アウトドアで植物や昆虫を見ては喜んで居る。元々、そういう用途向きに作られて居るだけあって、よく見える。
その実体顕微鏡を借りて半田付けしている。工業用実体顕微鏡の場合、50倍位は欲しいのだが、20倍の「ファーブル・ミニ」でも、0.5mm ピッチの半田付けの助けにはなる。細かい作業ができるので、0.5mm ピッチの足、一本一本にリード線を半田付けできそうだ。

私が半田付けをする時に、ミスをする確率は、千分の1か、それより少ない。真面目に統計を取った訳ではないが、そんな程度だと思う。成功率 99.9%以上と言うと、とても高そうだが、本当のプロは、桁違いに良い。まあ、素人としては、マシな方・・程度だ。
もちろん、これは、DIP での半田付けの場合で、0.5mm ピッチの半田付けだと、ずっと悪くなる。

私の電子工作を見ると、半田付けの成功率と関係して居る。つまり、回路規模を半田付けが千箇所以内にして居るのだ。
私の場合、電子工作の回路は、ほとんど、オリジナルの設計だ。だから、常に設計ミスの可能性がある。
回路を実際に動作させチェックする時に、半田付けミスや設計ミスが、どちらか単独で起きている時は、その発見は難しくはない。だが、半田付けミスと設計ミスが同時に起きていると、発見は、とたんに難しくなる。3つ以上のミスが重なると、発見は絶望的だ。

だから、最初に回路を作る時は、半田付けが千箇所以内にしている。こうすれば、半田付けミスは、一箇所あるか無いかで、二箇所以上の半田付けミスは考慮しなくても良い。
回路規模が大きくて、半田付けが千箇所以内に収まらない場合は、回路を2つ以上に分け、1つずつの半田付けが千箇所以内に抑えるようにする。分けた回路ごとに、実際に動作させチェックした後に組み上げる。

こんな方法は誰に教わった訳ではないが、40 年近い電子工作の経験の中で自然と身に付いた。
このやり方、良く考えてみると、いわゆる「モジュール式」である。「こうやって、モジュール式が生まれたのかなあ」とか、「私以外にも、自己流モジュール式を編み出した人は大勢居るんだろうなあ」とか、思って居る。

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June 16, 2005

Debian Sarge インストール

e014予想通り、この週末は Debian Linux Sarge のインストールを行っていた。最初は「apt-get dist-upgrade」で終わすつもりだったが、新品のHDDを買い始めからインストールし直すことにした。
結局、土日だけでは終わらずに月曜日の夜までかかってしまった。だが、本当に苦労したのは、Sarge のインストールではなく、ハードディスクのパーティションを分けて、Winodws 98 SE (今時!)とのデュアルブートの設定であった。

インストールしたのは、IBM ThinkPad i-Series 1124-53J と言う所謂 240X の個人ユース版で、約5年前、シドニー五輪で高橋尚子が金メダルを取った日に勢いで買ったものだ。(五輪における金メダルの経済効果は素晴らしい。少なくとも私だけで20万弱使ったことになる)
CPU は、モバイル・セレロン 450MHz 、メモりは 192M で、HDD は、新品の 40G を購入した。その HDD を、2 つに分けて、一方にWinodws 98 SE (元々 ThinkPad に付いていたもの)、残りに Sarge をインストールしたわけだ。
トラブルの原因は、古いバージョンの fips でパーティションを分けたせいで、fips 2.0 や Winowds 純正の fdisk で、分けたら問題なくなった。
Winodws 98 SE のインストールの話なんか、誰も聞きたくないだろうから、Sarge のインストールの話をしよう。

インストールは、まず、ブートが問題になる。私のマシンのように古い機種では、CD-ROM や USB からのブートは不可能なので、FD からブートせざるを得ない。Debian のホームページから boot.img root.img net-drivers.img をダウンロードし、rawrite.exe で、3枚の FD に焼く。FD を上記の順に入れてブートし、インストーラーを起動する。
Sarge 本体のインストールは、 BUFFALO の無線LAN (PCMCIA) で接続したブロードバンドのインターネット経由で行った。Woody の頃から比べると、遥かに進化したインストーラーのお陰で、楽々とベースシステムまでインストールは完了する。
このままでは、コンソールでしか使えないので、X-Window や KDE をインストールする。X-Window のインストールなど、とても楽になっている。英語だけで使うのなら、Debian Sarge のインストールは、非常に楽と言えるだろう。
だが、やはり日本語が使いたいので、日本語フォントや日本語表示、日本語入力の設定をする。正直、面倒くさい。特に anthy を使った日本語入力の設定で、set-language-env の自動生成した ~/.xsession が動かず、Web 上の情報を元に修正する必要があった。せめて、ベースシステムまでインストールがすんでいたら、後は日本語デスクトップが自動的にインストール/設定するようなスクリプトでもあれば、もう少し Debian Sarge のユーザーが増えると思うのだが、どうだろう?(それとも、私が知らないだけで、そういうスクリプトは存在するのだろうか? それとも私のインストールのやり方が悪いだけ?)
システムの起動は、GRUB で行うようにし、Windows98SE と Sarge を選べるようにした。

先にも述べたが、私のマシンは古く、CPU モバイル・セレロン 450MHz 、メモりは 192M だが、これは Debian Sarge を、KDE で使うには最低限のスペックだと思う。
特にメモリーは128Mを切ると難しいだろう。デスクトップに Xfce4 を使えば、もう少しメモリーが少なくて済む。私が KDE を使っている理由は、Zaurus のデスクトップが、同系列の Qte だからだ。同系列とは言え、KDE と Qte では、操作等に共通点は少ないから、どうでも良いかもしれないが。

私のように古いマシンに、Sarge を入れる人の参考に言うと、Sarge で KDE のような GUI を使うには、CPU は、500MHz 以上、メモリは、256M 以上が要るだろう。それ以下でも動かないことは無いが、遅くて使い物にならないかもしれない。
GUI を使わないサーバー等の使い方なら、CPU は 100MHz、メモリは 64M で十分だろう。32Mでも動くと思う。

私のマシンは古いので、ちと使いにくいが、最近では、FireFox や ThunderBird など、軽いアプリケーションが増えてきたので、それなりに使えるだろう。
問題は、OpenOffice なんだが、これが、ちゃんと動けばシメタものである。

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June 11, 2005

コメントに、なかなか追いつきません

私自身が筆不精(キーボード不精?)なのと、最近コメントが増えたので、なかなかコメントに、追いつかないで、失礼しています。
言い訳になりますが、ちょっとしたコメントの返事に、正確さを追求するために、シミュレータを一週間以上に渡ってプログラミング・・なんて事もやっています。
コメントへの返事が遅れたり、返事し切れなかったりしても、ご了承ください。

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June 08, 2005

Debian Sarge 登場!

e013待ちに待った Debian Linux の新バージョン Sarge が、6月6日に安定版としてリリースされた。
私にとっては、Windows の次世代や MAC がインテル CPU なるとか、プレステ3のニュースよりも、何よりも待ち望んでいたのが、Debian Sarge の正式公開である。

フリーの UNIX 系(正式には UNIX とは言うてはならんのかな?)としては、386BSD の頃から色々試してみた。FreeBSD や NetBSD も試したし、Linux は、SLS の頃から、使っている。Linux Zaurus も、そのひとつかもしれない。だが、正直、Windows に取って代わる決定打と呼べるものは、無かった。
上記の OS、特に、BSD 系は、サーバーのように CUI 的使い方をするうちは問題ない。が、GUI を駆使した Windows 置き換えとしての使い方には力不足だった。

Windows 置き換えの OS としては、日本語環境に定評の有る Vine Linux を長く使った。また、 Vine の元となった RedHat (無料版)や有償のものでは TurboLinux10D なども使ってみた。だが、どれも決定的と思えなかった。
強いて言えば、無料版 RedHat Linux の最終バージョンとなった RedHat Linux 9 は、「これなら、Windows 置き換えになるのでは?」と言う力強さが感じられた。だが、 RedHat Linux の無料版は打ち切られ、それも夢と消えた。有償版の RedHat Linux はビジネスユースはともかく、個人的な使い方には無料版が望ましいし、また、無料版 RedHat Linux 9 の後継と言われる Fedora Core は、なんとなく頼りない。
そんな中、Debian と出会った。(正確には、まだ RedHat Linux 9 が在りし頃だった。)

長く、家庭内サーバーとして使っていたノート PC が熱暴走で死んだ。数年前の猛烈な猛暑の中である。
その PC は、FreeBSD を入れて、24時間運転をしていた。
急遽、他の PC をサーバーにすることになったが、前の PC の FreeBSD は、相当古いバージョンだったので、更新することにした。FreeBSD は、バージョンが古くてもサーバーとしての使い方なら、安定性等の問題は無いのだが、常時インターネットに接続している以上、セキュリティーホールの不安はある。
だから、これを機会に、OS を一新することにした。

サーバー用に良い OS が無いかと物色していたところ、「Debian の評判が良い」との噂を聞いた。
以前から、Debian の事は知ってはいたが、プロジェクトの最初のうちのディストリビューションは良い噂を聞かなかったのと、インストールが難しいと聞いていたので何となく避けていた。
「まあ、駄目元で試してみるか!」と、Debian の安定リリース版の Woody のインストールに挑戦した。インストールは噂に違わぬほど難しく困難だった。
だが、一度、インストールできると、これ程使いやすい OS は無いほど、使いやすい。特に、apt-get によるパッケージの管理が最高だ。それまで、rpm か、ソースからのコンフィグ/メイクしか知らなかったのだが、apt-get なら、常に依存性を保ったまま最新版にアップデートできる。アプリケーションのインストールと、Winows アップデートを組み合わせ、もっと使いやすくしたものと言えばイメージがつかめるだろうか?(ただし、apt-get は、使用環境にインターネット常時接続を必要とする)

だが、いくら良くできていても、Debian Woody が良いのは、サーバーのような CUI 的使い方の範囲の話である。Woody にも GUI 環境が無い訳じゃないが、古くて、とても Windows 置き換えになるようなモノではない。

Sarge は、Woody の次のバージョンとして、GUI 機能の強化等が期待されていた。
実際、Sarge は、長い間、テスト版として使うことができ、私も家庭の PC の3つにインストールしているのだが、「これは使える!」と言うレベルになっている。
また、この間に OpenOffice や FireFox、ThunderBird と言ったオープンソースのアプリケーションも整い、いよいよ、「Windows 置き換え」も現実味を帯びてきた。
GUI を使ったプログラミングも、Qt を使えば、Winodows より楽だし、Zaurus とソースコードをかなり共通化できる。
だが、テスト版の Sarge には、安定性に不安がある。自己責任で使うしかないので、とても人に勧められなかった。
だから、 Sarge の安定板としての正式公開(リリース)を待ち望んでいた。

Sarge のリリースは嬉しい。だが、正直、文句もある。 Sarge の正式公開は、少なくとも1年くらい前にやって欲しかった。無料版 RedHat Linux 亡き後、Linux 界は混迷を来し、衰退の兆しすら見られるからだ。
真打ち Sarge の登場で、再び光明が見られるかもしれない。しかし、時は既に遅いかもしれない。

私が、Debian Sarge のような無料版 OS (オープンソースの OS )を望んでいるのは、マニアックな趣味からだけではない。
一つは「個人使用の PC には常に最新版を無料で使えるようにすべきだ」と思っているからだ。
もう一つは、「Windows では、使えなくなっているような本当のコンピュータとしての使い方」が、Linux ではできるからだ。

今度の週末は、リリース版の Sarge のインストールをしなくては。
もっとも、「apt-get dist-upgrade」だけで終わりかもしれないが。

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June 01, 2005

僕の宇宙船 カプセル 大気圏再突入時の操縦

ss0041前回、書き切れなかったので、今回は大気圏再突入時のカプセルの操縦方法を説明しよう。
一般的に、カプセル型宇宙船は操縦しようが無く、一度大気圏に突入したら、後は何処に降りるか運任せ(風任せ?)のイメージがある。だが、実際はカプセル型宇宙船も操縦が可能だ。

大気圏再突入時の姿勢のロール、ピッチ、ヨーは、イラストのように進行方向に対して決めている。

イラストの右下のスペースシャトルを見れば判ると思うが、機軸方向と進行方向が大きく異なる。飛行機の場合、機軸方向と進行方向が、ほぼ一致しており、ロール、ピッチ、ヨーを機軸と進行方向の何れでも同じ。だが、大気圏再突入時は、そうはいかない。

カプセルの場合、重心位置で、ピッチとヨーは決まってしまうので、コントロールできるのはロールだけだ。カプセルは、主にスラスタと言う超小型の姿勢制御用ロケットエンジンで、ロール方向の姿勢をコントロールする。
私は、スラスタを使わなくても重心移動でロールをコントロールできるのでは? と密かに考えている。この場合、サーフィンとかスノーボードとそっくりのコントロールになる。

ロールを右に傾けると右に曲がり、左に傾けると左に曲がる。飛行機や自転車と同じである。右や左に曲がると降下する。これまた飛行機と同じだ。
飛行機の場合もエルロン(補助翼)でロールを傾けただけだと降下する。普通は、ピッチをコントロールするエレベーター(昇降舵)で降下しないようにする。

スペースシャトルのような有翼機の場合は、飛行機と同じように、エルボン(エルロンとエレベーターを合わせたもの)やボディフラップを用いて、ロール、ピッチ、ヨーをコントロールできる(時には、スラスタも併用する)。ロールやヨーの効果は飛行機と同じだが、ピッチは、「より上へ向くと下降」「より下へ向くと上昇」と逆なので、スペースシャトルを操縦する機会が有ったら、注意しよう。

ss0042カプセルのように、ロールしか制御できない場合、どうやって操縦するかを説明したのが、このイラストだ。
ロールを傾ける事なく高いところを飛べば、遠くまで行ける。
ロールを右に傾ければ右に、左に傾ければ左に行くことができる。
連続して左右に傾ければ、スラロームして手前に降りる。この場合、地上でのスラロームのように回る事で距離を稼ぐより、高度を下げて、より濃い大気の抵抗でスピードを落とす効果の方が大きい。
左右にロールしている内は良いが、上下逆の背面飛行になったら大変だ。揚力が逆に働き、濃い大気の中に突っ込むので、異常に発熱し、急減速Gを受け、危険である。普段はジャイロセンサーとコンピュータで、背面飛行にならないように制御する。万一、ジャイロセンサーかコンピュータに不具合が起き、上下が判らなくなったら、ロール方向にをグルグルと回そう。こうすると揚力の効果が消える。減速時の加速度が、ボストークやマーキュリー並の8Gになるが、死ぬよりましだ。多分、荷重に耐えられなくて、気を失うが、生きて帰る事は可能だ。

このように、ロールを傾けたり、傾けなかったりで、降りる場所をコントロールすることができる。前後方向は最大で数千キロもの範囲で降りる場所を選べる。まあ、あまり手前に降りると急降下して濃い大気の中で高Gで減速するので、数百キロくらいに抑えた方が安全だ。一方、左右方向は50キロ程度しか選択範囲は無い。
アンバランスな気がするが、問題は無い。軌道離脱マヌーバーの誤差や気圧の変化の影響が前後方向に出るが、左右方向は、最初の軌道で決まってしまい、その後の影響は、ほとんど無いからだ。
実際、ジェミニでは、降下場所が目標から5キロ程度に降りることができた。これなら、パラフォイル(方向制御可能なパラシュート)と併用することで、ピンポイントの帰還が可能となる。サッカーグラウンド程度の広さがあれば、着陸できるだろう。
スペースシャトルの場合は、揚抗比の効果で、左右方向に千キロを超る範囲に選択できる。しかし、一般的な使い方なら、こんなに広い範囲は不要な筈だ。

裏庭から打ち上げた「僕の宇宙船」は、小学校の校庭か河原に帰ってくるのが相応しい。

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