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April 08, 2005

自作スピーカー

e003
自作したモノは数多くあるが、今まで個人的に作った中で最大なのはスピーカーである。
(ただし、質量で評価した場合。寸法なら、翼長2メートルを超すラジコン・グライダーだし、コストでは基板パターンまで自作したコンピュータだ)

そのスピーカーは、独身時代だから、17・8年ほど前に作ったもので、ダイアトーンの P-610 と言う伝説(?)のユニットを主体に作ったものだ。P-610 は、16センチ径のフルレンジで、いわゆる「ロクハン」と呼ばれるモノである。
このユニットは、古い設計なので、73リッターという大きな箱のバスレフに入れている。箱の大きさ、バスレフのダクトの大きさ・長など、全て自分で計算し、試聴しながら調整した。

このスピーカー、素直な音に仕上がったが、当然、フルレンジだから、超低音と高音は弱い。高音側が物足りないので、リボンツィータFT7RPを足し、ゆるいクロスオーバーで低中音と高音を繋ぐ設計にした。低音側はバスレフが効いているのか、それほどの不満は無い。もちろん、現在流行りのサブウーハーに較べると、全く足りないが。

できあがったスピーカーは大変気に入っていた。常に部屋の一番良い所を占めていたのだが、結婚し、子供ができて状況は一変した。
何せ、70リッターを超る箱が、2つ(ステレオ用だから当然2つ)もリビングの一番良い場所にあるのだから、邪魔である。
音楽を聴くならミニコンポでも買った方が良いと言うことになり、我がスピーカーの運命は風前の灯火となった。

いよいよ、某有名オーディオメーカーのミニコンポを購入し、リビングに設置した。

妻と、真新しいミニコンポと我が自作スピーカーとを聞き比べた。この勝負に負けたら、我がスピーカーは「粗大ゴミ」だ。

意外な事に、我がスピーカーは、勝利したのである。
フルレンジの実力を知る者なら判ると思うが、大きな箱に入れたフルレンジは、想像を超える素直な音がする。アコースティック系の音楽なら、無理やり小型化したスピーカーに負けない。
聞き比べた曲が、妻の好きなクラシック音楽だったのが良かった。
歌謡曲やハードロックだったら、危なかったかもしれない。

我がスピーカーは、廃棄を免れた。リビングの一等地を明け渡しはしたものの、今でも、私の部屋にある。
ちなみに、P-610 は、既に生産中止された。生産中止が決まった時に、メンテナンス用にもう1組(2個) P-610 を買って置いた。この P-610 は長いこと我が家の押し入れにあったが、野尻さんが星雲賞を受賞した時にお祝い代りに進呈した。そっちの方も、まだ、野尻さんの家にあるかもしれない。

スピーカーの自作は、とても楽しかったし、17・8年ほど経った今でも使えるほど、実用的だ。
機会があったら、是非また作ってみたいと思って居る。今度作りたいのが、バックロードホーンと言うタイプだ。バスレフよりも遥かに設計が難しいのだが、コンピュータの力を借りれば、私のような素人でも設計できるかも・・なんて考えて居る。

ただ、最大の問題は、住居だ。既に手狭になって居る我が家に新しいスピーカーを置く余地は無い。

が、それ以上に問題なのは音である。バックロードホーンは、その特性上、大きな音を出してこそ、本領が発揮できる。とてもじゃ無いが、現在の住宅状況じゃ、近所迷惑で、バックロードホーンの本領が発揮できるような音は出すことなど、とてもできない。

バックロードホーン・スピーカーを作る前に、山中の一軒家の別荘でも手に入れないと、不可能だねぇ。

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Comments

 あー、いただいたP-610DBは、いまも我が家の主力スピーカーとして居座っています。エンクロージャは最初に作った実験用26リットルのままですけど、このスピーカーでいろいろ目から鱗――というか耳から耳栓が抜けました。もうそのへんのミニコンポなど聴く気になりません。
 あのとき一緒に入手したP-610Bと較べると、アルニコ磁石の効果か、音量がひとまわり大きくなりました。

 いまではパソコンのサウンド機能を使ったスペアナソフトが簡単に使えるので、そのうちじっくり実験してみたいと思っています。

Posted by: 野尻抱介 | April 18, 2005 at 03:01 PM

野尻さん、ようこそ、いらっしゃいませ!
嫁に出したP-610が元気で何よりです。
TU-870真空管アンプをお使いですか?
六半フルレンジに真空管は良く合いますよね。
次は、逆にD級アンプも作りたくなってきました。なかなか時間が取れなくて、何時できるかわかりませんが。

Posted by: 野田篤司 | April 18, 2005 at 09:18 PM

 おっと、D級アンプとは目のつけどころがアレですね。音をパルス幅変調してスイッチングで増幅するやつ。あれで本当にオーディオ用のクオリティが実現できるかどうか、自分で作ってみるまでは信じられません。
 FCZ研究所から安価なキットが出ていて、いま制作中のトランシーバのAF増幅段に組み込もうかと思ったのですが、電源電圧が合わないので普通の386アンプにしました。

Posted by: 野尻抱介 | April 19, 2005 at 10:08 AM

D級アンプは、確かに「アレ」ですよね。
最近は、TA2020と言うチップを使ったアンプのキットの評判がよろしいようで、気にしています。
実際、自分で音を聞いてみないと何とも言いようがないので、是非作って、音を聞いてみたいと思っています。そうしたら、また、ブログで結果報告いたします。

Posted by: 野田篤司 | April 20, 2005 at 12:51 PM

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